「残業が多い自分の会社はおかしいのか?転職すべき?」
そう感じたことはありませんか?
日本の多くの企業では、残業が当たり前の仕事量が振られています。
この前見たYoutubeでも
「固定残業代は、社員の定額働かせ放題」
と表現されていて、意外にもしっくりときてしまいました。
それくらい今の日本の職場環境というのはおかしな事になっています。
では、
「残業が前提の仕事量の自分の会社はブラックなのか。だとしたら、すぐに転職すべきなのか」
実は、答えはNOです。
というよりも、
「すぐに転職しようとするのは止めてください!」
実は転職してもその状況が変わらない可能性があり、場合によっては
「転職した結果、状況が悪化した」
ということも有り得るからです。
まずは、今の会社がブラックなのかを客観的に見て、その上で
「何をするべきか」
を解説していきます。
私は現在、転職を繰り返して7社目に務めており、会社の実態を色々な所で見てきました。
加えて、起業や転職をする人も周りに多く、転職のその後を色々なパターンで見ています。
そのため、最後まで読み進めることで、「今自分が何をすべきなのか」が明確になるでしょう。
本来残業なしで回る仕事量であるべき
まずは、根本的な「本来残業なしで回る仕事量にするべき」というお話から。
残業の本来の役割とは?
残業は本来、業務が突発的に増えた場合や予期しない問題が発生した際に一時的に必要となるものです。
通常の業務が毎日のように残業しないと終わらないという状態であれば、業務設計や労働量に問題があると考えられます。
定常的な業務は定時内に収まるように設定されるのが理想であり、無理な労働を強いる環境は見直すべきでしょう。
一方で、現場を見てみれば、特に私がいるIT業界などでは
「固定残業代20時間/月 が給料に含まれている」
ということを良いことに、そもそも残業する前提の量の仕事を用意していたりします。
業務プロセスの改善が必要
もし日常的に残業が発生している職場であれば、業務の流れやプロセスの効率化が不十分である可能性があります。
仕事が多く、限られた時間内で終わらない状況が続く場合、業務の進め方や役割分担を見直すことが重要です。
具体的には、プロジェクトの無駄を減らしたり、無駄な会議を削減するなどの改善が求められます。
ただ、会社の体制として最初からそういう風になっている人のためにも、後で自分ひとりから変えていくための方法を解説します。
長時間労働 = 頑張っている という風潮
残業時間が長くなる原因の一つに
「長時間労働をしている = 頑張っている」
という間違った認識を持っている人が多いことが挙げられます。
これは、昭和的な価値観で、
「24時間働けますか?」
というCMは有名ですが、長時間働くことが正しいとされていた時代があります。
この名残が、まだまだ会社の上層部には多く、年齢層的にも
「自分が若いときには、長時間労働をしていたし、それを会社に評価された」
という記憶を持っている人たちが管理職になっていたりします。
これも、根本的に残業が当たり前になる理由です。
残業前提の仕事量の場合、断っても良いのか
では、残業が前提の仕事量を渡されたとして、それを断ることはできるのでしょうか。
法律が守る労働者の権利
労働基準法では、過重労働を防ぐために時間外労働に制限を設けています。
無理な残業を強要されている場合、労働者はこれを断る権利があります。
企業側も労働者の健康や生活を考慮し、無理のない働き方を推進することが望まれます。
そのため、残業を強制させられるような職場の場合には、労働基準監督署に相談しに行くというのも1つの手段として考えられます。
残業を断る際のコミュニケーションのポイント
残業を断る際には、単純に「残業はしません」と断るのではなく、その理由を明確に説明すると理解が得られやすいです。
例えば、「自身の健康を守り、仕事に対するパフォーマンスを向上させたい」と伝えることで、前向きな姿勢として受け入れられやすくなります。
職場の上司や同僚にも、無理のない働き方が共感を呼ぶでしょう。
ちなみに、心理学的な話をすると、この理由は「合理性があるか」などは特に関係なく理由を述べる方が納得してもらえる可能性が高いそうです。
例えば「犬の散歩に行く」「友達と出かける」など、人によっては
「仕事を優先しないのか」
と思われるような理由でも、理由が無いよりも説得力が増すという実験結果があるそうです。
仕事量と業務の見直しを提案する
残業を断るのは、非常に勇気がいることです。
特に上司が「残業が当たり前」「給料分くらい働け」という傲慢なタイプだった場合には、
「いかにして関係性を崩すことなく残業を断るか」
が重要になります。
その際、残業が発生する原因が業務量やプロセスにある場合は、改善策を上司に提案してみましょう。
業務の負担が過度であることを伝え、組織全体の業務効率向上に貢献するという姿勢で相談を持ちかけると、職場環境が改善される可能性もありますし、上司としても
「きちんと成果を残せるなら、残業なしでも許す」
という方向に考えを変えてくれる可能性があります。
残業前提での仕事の問題点
では、残業前提で働き続けることには、どのような問題点があるのでしょうか。
ワークライフバランスが崩れる
残業が常態化すると、仕事とプライベートのバランスが保てなくなり、私生活にも支障をきたすことが増えてきます。
趣味や家族との時間が犠牲になり、心の余裕が失われてしまうこともあります。
仕事と生活のバランスが崩れると、長期的に見て精神的な負担が大きくなるため、意識的に残業を減らす工夫が大切です。
特に今の時代、
「仕事が人生の全てではない」
という考え方が一般的です。
残業が前提の働き方で、プライベートを犠牲にしすぎると、定年退職後に
「仕事以外にすることが無い」
という状況になり、認知症が発症するリスクも上がってしまいます。
健康リスクの増加
長時間労働は、身体的および精神的な健康に悪影響を及ぼします。
慢性的な疲労感やストレスが溜まり、場合によっては精神的な不調をきたすこともあります。
また、単純にデスクワークで座る時間が長くなるだけでも、寿命が短くなるという実験結果もあるそうです。
残業に依存せず、適切な休息を取ることで健康を維持することが重要です。
効率の悪化と生産性の低下
残業を前提とした働き方は、集中力の低下や効率の悪化につながる場合があります。
長時間働くことで業務のパフォーマンスが下がり、かえって非効率な結果になることもあります。
定時内で効率的に働くことが生産性向上の鍵です。
ちなみに、1日の労働時間としては7時間までが最適で、それ以上やっても生産性は上がらないそうです。
定時の8時間でもフルに生産性を上げられていないのに、それ以上に残業で労働時間を増やせば、効率が悪い働き方になってしまいます。
加えて、長時間労働は
「時間内に仕事を完了させるための工夫」
を怠る可能性が高いです。
結果、同業他社よりも仕事が遅い人材ばかりになってしまい、会社の業績にも悪影響を与える可能性があるのです。
残業しないことのメリット
反対に、残業をしないことには、多くのメリットがあります。
健康維持と疲労軽減
残業を避けることで、心身の健康を維持しやすくなります。
適度な休息が取れることで疲労が軽減され、長期的な健康維持につながります。
働き続ける上で、健康は最も重要な資産であるため、無理な残業は避けるべきです。
たとえ残業代などで一時的に高収入になったとしても、体を壊して入院になれば、意味がないどころか、マイナスです。
充実したプライベート時間の確保
残業をしないことで、プライベートな時間が増え、家族や友人との関係を深めることができます。
また、趣味やリフレッシュの時間が取れるため、仕事に対するモチベーションも向上しやすくなります。
プライベートでの人間関係が良好な人ほど、仕事でも良い結果を出す人が多く、仕事とプライベートの両方でメリットがあります。
効率的な働き方の実現
定時内で業務を終えるためには、効率よく働く必要があります。
タスクの優先順位をつけ、無駄を省くことで、限られた時間で成果を出す力が養われ、最終的には自分の成長にもつながります。
副業などで更に人生が良くなる
残業をしないことで、副業のための時間を確保することができます。
これは、会社の収入に依存しないこと以外にも、
「本業では得られないスキルを得られる」
「起業の準備ができる」
「副業収入を投資に回せる」
など、様々なメリットがあります。
転職よりもまずは「今の職場で変えられること」に集中する
個人的に転職を繰り返して思うのは、
「転職せずに解決するならその方が良い」
ということ。
〇〇がやりたい。ステップアップのために。
こういったポジティブな転職理由なら良いのですが、ネガティブな理由での転職は難しいです。
私自身も転職の面接で、「前の会社を辞めようと思ったきっかけは?」ということを何度も聞かれてきました。
しかし、ここでの答えが
「残業が多かったから」
と答えると、面接官側からは
「仕事よりもプライベートを重視する人」
と思われてしまいます。
きれいな言葉を並べていても、結局今の日本の会社の多くは
「それなりに働く人より、めちゃめちゃ働く人」
の方がほしいのです。
そのため、ネガティブな理由の転職は意外と難しいと思っています。
だからこそ、後述する「今の会社でできること」をやり尽くした後に転職を考えるのをおすすめします。
個人で変えられる「残業を前提としない働き方」
さて、ここまでは残業前提の仕事について見てきましたが、
「現状、残業前提の仕事をしている人」
が、改善するためにはどうすればよいのでしょうか。
タスク管理スキルを磨く
タスクを効率的に管理するスキルは、残業を減らすために欠かせません。
タスクの優先順位をつけ、適切な時間配分を心掛けることで、時間内で仕事を終わらせる意識を持つことが重要です。
このときに重要なのは、
「重要ではないタスクを切り捨てる」
という取捨選択ができるか否か。
優先度の高い仕事に絞ったり、自分が苦手な仕事を得意な人に振るなど、業務の効率化をするためには、タスクを整理しておく必要があるのです。
上司との調整・コミュニケーション
業務の負担が多いと感じた際には、上司に相談してタスクの調整を依頼することも有効です。
明確な理由を持って、過剰な業務の削減や、効率的な進行を提案してみると、理解を得られる場合があります。
更に、上手くコミュニケーションを取ることができれば、
「会社全体で、共通する問題」
として、
業務効率化のためのツールの活用
業務の効率化には、さまざまなツールを活用することが効果的です。
タスク管理ツールや自動化ツールを活用することで、日々の作業を効率的に進めることができ、時間の無駄を省くことができます。
仕事の多くが
「売上に繋がらない作業」
です。
そのため、そういった作業をツールを活用して効率化するだけでも、残業を必要としない働き方が可能になる可能性があります。
具体的には、エクセルやGoogleのスプレッドシートなどで、関数やプログラムを組み込むことで効率化が可能です。
更に、batファイルを作ったり、vbsといったプログラムを加えることで、より幅広い業務を効率化することができます。
働く時間帯を自分でコントロールする
人は、働く時間帯で作業効率が変わります。
例えば、昼食の直後には眠気に襲われるという人は多いのではないでしょうか。
これは、自分自身の睡眠時間や起床時間にも左右されますが、
・頭を使うほうが良い時間帯
・創造性が出やすい時間帯
・単純作業に向いている時間帯
というものが存在します。
同じ業務でも、やる時間帯を操作するだけで、効率が上がることは多々あり、可能な範囲で業務を効率化していくのがオススメです。
まとめ
今回は、残業を前提とした働き方に対する問題提起をしてきました。
私自身、残業はほとんどなく、今の会社では3年で20時間程度しか残業をしていません。
むしろ、固定残業代があるので、「残業は損!」という気持ちで働いており、そのための工夫も日々行っています。
残業しないからこそ、副業にも力を入れられるし、人生を充実させられる。
是非、一緒に残業のない働き方を目指してみてはいかがでしょうか。