現在、多くの人が貯金や投資に注目しています。
不景気の日本では、仕事をいくらやっても労働生産性が上がりません。
加えて
・年金がもらえるかわからない
・いつ倒産するかわからない
・税金が上がるかもしれない
と、暗い想像ばかりをしてしまう人が多いのではないでしょうか。
そんな中で
「1億円の資産」
があると言うのは、多くの人が目指している状況ではないでしょうか。
今回は、普通のサラリーマンでも1億円を貯めることができるのか。
そして、それはどうすればできるのかを見ていきたいと思います。
1億円を貯めるには?どうすれば良いのか
さて、早速ではありますが、1億円を貯めるのに必要なものは何でしょう?
大きく分けると5つのポイントがあると考えています。
全てを行う必要はありませんが、どの能力を伸ばしていくのか・・・は重要な選択肢です。
投資をするか否か
まずは、投資をするかどうか。
今の時代、投資をしている人は増えつつあり、
「お金持ちになりたければ投資をしろ」
という価値観が増えています。
特にインデックス投資は、勝者のゲームとも言われ、長期投資すれば100パーセント利益が出ています(少なくとも今の所)。
とは言え、まだまだ投資に不信感を持っている人も多く、投資をしないという選択肢を取りたい人もいるでしょう。
本業で出世するか否か
次に、本業で出世を目指すか否か。
投資でお金を増やすのではなく、収入を増やして貯金を増やす考え方です。
現在の日本では、1年で5000円以上の昇給もレアになっていますが、それでも出世で蓄財をする人も多いです。
例えば私の会社では、管理職手当があるか否かで大きな給料差が生まれます。
私自身、管理職手当がつくようになって、その前の年と比べれば年収で100万ほど変わりました。
月収に直せば、8万円ほど増えた計算になります(ボーナスがあるのでもうちょっと低いですが)。
それだけ変わってくれば、蓄財できるか否かは大きく変わってきますよね。
「出世を目指さずにゆるゆると働くのか」
「出世をするために本業で努力をするのか」
これも、1億円を貯める上で検討したいポイントです。
期間が長いか否か
1億円を貯めるためにかける期間も重要な要素です。
1年で1億円を貯めるハードルは非常に高いですが、極論100年かけて良いなら多くの人が1億円を貯めることが出来ます。
投資をしなくても、年間100万円、月に9万円の貯金ができれば達成が可能です。
更に投資をするのであれば長期間の運用が可能であれば、かなりの確率で達成することが出来ます。
貯蓄率が高いか否か
次に、月の収入の内どのくらいの割合を蓄財に当てられるか。
これも重要な要素です。
収入が月に30万円の人は
・貯蓄率10%:3万円/月
・貯蓄率50%:15万円/月
というように、毎月の貯蓄額が変わってきます。
貯蓄率を高くするためには、節約などを行う必要がありますが、
「どのくらいの割合を貯蓄に回しても生活できるのか」
が、将来の蓄財に大きな影響を与えるのです。
副業をするか否か
最後は、副業をするか否かです。
本業での収入アップが難しい場合には、副業をすることが収入アップには必要になります。
現在の日本では、5人に1人が副業をしているとも言われており、この選択次第で蓄財に大きな影響を与えるのです。
1億円貯めると叶う生活
では、1億円を貯めるとどのような生活が可能になるのでしょうか。
運用益だけでも普通の生活が可能
仮に1億円を投資に回すことができれば、年間4%程度の運用益が出ただけで、年収400万円を得ることが出来ます。
一般的な生活が投資収益だけで賄える。
いわゆるFIREをするための条件とも言えるのが「1億円」という資産なのです。
年金と合わせると裕福な老後も可能
更に、年金を合わせれば非常に裕福な老後を過ごすことが出来ます。
年金の平均受給額は、月に14万円ほどと言われています。
それだけでの生活はかなり質素なものになりますが、先程の投資で得られる年間400万円の投資収益を合わせれば、月に40万円ほどの収入が入ってきます。
これだけあれば、かなり裕福な生活が可能です。
また、仮に投資をしていなかったとして、1億円の貯金を月に21万円ずつ取り崩し、年金と合わせて月に35万円ほどの生活をしたとして、貯金を使い切るまでに40年ほどかかります。
そう考えれば、かなり余裕のある老後生活が可能であると言えるでしょう。
上位2.8%の生活
資産が1億円以上の「富裕層」「準富裕層」の世帯は、国民全体の2.8%程度と言われています。
そのため、それだけの資産があれば、かなり裕福な生活が出来、更に多くの選択肢を持つことが出来ます。
例えば、先程の年金に関しても
「年金の受給時期を遅らせれば、多くの年金をもらえる」
という制度があります。
最大10年遅らせて、75歳からの年金受給にすれば、84%上乗せした年金が得られるのです。
しかし、資産が無い人からすると、65歳で退職した場合10年間過ごせるだけのお金がありません。
結果として、否が応でも65歳からの年金受給が必要になります。
このように、資産の有無は人生の選択において大きな影響を与えるのです。
1億円の資産があれば、大抵の選択が取れるため、人生を有利に進めることが可能です。
1億円を貯める具体的な方法(シミュレーション)
さて、では実際に1億円を貯める具体的なシミュレーションをしてみましょう。
いくつかのパターンに分けて
「どのくらい頑張れば1億円が貯まるのか」
について見ていきましょう。
22歳から貯金・且つ投資をしない場合
蓄財期間が長いほうが有利であることは前述しましたが、仮に大学卒業後の22歳から蓄財を開始し、投資はしていない場合。
初任給から毎月2万円ずつ貯金します。
大体の貯蓄率は10%くらいです。
毎年、月の貯蓄額を1万円ずつ上げると、
23歳:3万/月
24歳:4万/月
・・・
というように、昇給に併せて貯蓄額も増やしていく事を想定します。
この計算で行くと、61歳のときに資産1億円を突破します。
とはいえ、後半は月の貯蓄額が数十万円となるので、少し非現実的ではありますが、それでも定年までに貯金だけで1億円を達成することが可能です。
更に速いペースで貯めるためには、
・実家に住む
・夫婦で稼ぐ
などの工夫が必要になりますが、例えば20代のうちは実家ぐらしで貯蓄率を50%以上にする・・・などのような形で蓄財をすれば、40代~50代で1億円を貯めることも可能でしょう。
22歳から長期投資をした場合
次に、現在最も一般的な
「若いうちからインデックス投資をする」
という方法で蓄財をした場合を考えます。
同じく新卒1年目から、現在のNISAの満額である年間40万円と、2024年からのiDeCoの年24万円を全てインデックス投資にしたとします。
すると、年間64万円を投資するわけですが、S&P500の過去10年の平均リターンが約14%なので、その半分の7%で計算すると、57歳で資産が1億円を超えます。
貯金だけに比べると、年間64万円(月に5万円強)の蓄財だけで良いことを考えると、かなり現実的な数値ではないでしょうか。
もちろん、ここから更に自分で投資資金を増やすようにすれば、もっと早い引退も可能です。
仮に22歳から月に15万円ずつの投資が可能なら、なんと44歳ですでに資産1億円を突破し、20年以上早い引退も可能になるという計算になります。
もちろん、新卒1年目から15万円の投資をするのは困難だと思います。
しかし、副業をするなどで蓄財する事を検討すれば不可能な数字ではないのです。
30歳から投資!子育て期間は元本を増やさない場合
次に、少し投資をスタートするのが遅かったパターン。
仮に30歳から投資に興味を持ったとします。
更に、子育て期間中は投資元本を増やさないという事も考慮してみましょう。
30歳から投資をスタートし、それまでの貯金として持っていた1000万円を投資に使います。
そして、同じく30歳に子供が生まれ、ここから50歳まで(子供が成人するまで)の期間は、最初の1000万円以外の投資は無し。
そして、50歳からはサラリーマンとしての年収もかなり上がっている事を想定して、ハイペースで蓄財に向かいます。
先程と同じく年利7%計算なら、20年後の50歳のタイミングで、資産額は3800万円ほどになっています。
そして、50歳から定年の60歳までは月に10万円の投資を追加で行います。
これで、60歳で1億円が貯まる事になります。
最初の1000万円は大変かもしれませんが、それが20年の間にかなり大きくなっているのがわかりますね。
長期間投資が非常に重要だからこそ、子育て期間中に投資元本を増やさなくても、これだけの結果が得られたのです。
40歳から投資!高い給料から高貯金率を目指す場合
次は、投資をスタートするのが更に遅かった40歳をシミュレーションします。
すでに子育ては終わっており、本業でそれなりの役職を得ており、高い給料から高い貯蓄率を実現するパターンです。
これも、あくまでも投資で計算します。
40歳の平均年収は男性で562万円です。
高い給料を想定して、年収700万円と考えましょう。
その場合、手取り額は約550万円(状況にもよりますが)。
この内、生活費は月に20万円(年間240万円)に抑えます。
残りの310万円を毎年投資に充て、更に同じく年利7%でインデックス投資をしたとすると、なんと56歳で資産1億円を超えます。
貯蓄できる額が大きいと、それだけ投資は有利になり、この計算では16年で自由になれる事を意味しています。
実際に1億円を貯めるための手順
では、実際に1億円を貯めるためには、どのような手順が必要になるのでしょう。
期間と貯蓄額を設定する
最初は、期間と貯蓄額を設定する必要があります。
資産額は1億円と今回は決めていますが、それも自由に決めても大丈夫です。
大切なのは、
「ゴールとそこまでの道のりを明確にする」
ということ。
毎年いくらの貯蓄をすれば、1億円を達成できるのか。
前項を元に、自分の状況を加味して設定してみましょう。
お金を使う基準を明確にする
次に、お金を使う基準を明確にしておきましょう。
「旅行にはお金を使うけど、被服費は最低限しか使わない」
などのように、お金を使う優先順位をつけ、優先順位の低いものに関しては、切り捨てるもしくは、最低限だけしか使わないようにします。
一般的なサラリーマンの生涯賃金が2億円くらいなので、それを考えると1億円を貯めるのはハードルが高いのはわかるでしょう。
だからこそ、お金を使う優先順をしっかりと決めておきましょう。
投資はインデックスファンドが鉄板
やはり、シミュレーションからもわかるように、貯金だけで1億円を作るのは非常に困難です。
投資をしていれば20年弱で達成できる事も、貯金だけだと現役時代をほぼ全て使う必要が出てきます。
そのため、少しでも早くお金持ちになりたいなら、投資が必須です。
そして、現在投資の王道はインデックスファンドです。
特にS&P500のインデックスファンドもしくは、全世界株式が良いとされています。
これらの投資を視野に入れておきましょう。
仕事は真面目にやる
次に、先程までのシミュレーションからもわかるように、「貯蓄」がキーワードです。
投資するにも、元本が必要になるわけですが、基本的にこれらの元本はサラリーマンからの給料を想定しています。
なので、仕事を真面目にやった上で、
・ちゃんと昇給する
・ちゃんと出世する
という風にサラリーマン人生を定め、着実に給料を増やしていくことが必要でしょう。
副業やビジネスで加速させる
収入が高ければ、その分早く1億円を達成できるわけですが、本業での収入アップに加えて、起業や副業を考えることも重要です。
私自身も、副業で月に15万円前後の収入を得ていますが、蓄財をする上ではかなりのブースターとなっています。
もちろん、その全てを蓄財に充てているわけではなく、人生を楽しむためにも使っているわけですが、副業そのものは
「もしも会社の給料が下がったときのセーフティネットにもなる」
という利点があります。
長期視点が必要な蓄財においては、こういったリスクヘッジも重要だと考えています。
有利な会社への転職も視野に
次に、出世以外の本業の収入アップとしては、転職が考えられます。
出世よりも簡単に年収が上がる可能性があります。
もちろん、年齢や職種・業界にもよりますが、選択肢の1つとしては有力です。
特に、
・年収が上がりにくい業界で働いている
・同じ業界でも給与水準が低い会社にいる
等の場合は、転職を検討するべきでしょう。
ちなみに、私自身も転職で年収を100万近く上げているので、やり方次第でかなりの効果が発揮できるでしょう。
結婚を手段にする事も可能
最後に、結婚を蓄財の手段として考える方法です。
子育てにはお金がかかりますが、
「結婚して共働き」
という状況なら蓄財を早められる可能性が高いです。
例えば生活費。
食費などは1人で生活するときと2人で生活するときでは、2倍になるのではなく、1.4倍ほどになると言われています。
他にも、電気代や水道代なども、2人で住んだからといって、2倍になることは通常ありません。
しかし、年収は極論2倍になる可能性があります。
この差を利用して、
「たくさん稼いで、節約もする」
というのは、蓄財における攻略法でもあります。
更に、共働きが有利なのは、
「夫1人で年収1000万円」
と
「夫:600万円/妻:400万円」
という2組がいた場合、後者の方が税金が低いです。
累進課税によって、1人で稼ぐ金額が大きいほど税金が上がります。
そのため、共働きの方が手取り額が多くなり、その分蓄財も楽になるのです。
まとめ
今回は、1億円を貯めるためのシミュレーションをしてきました。
一見すると途方もない金額である1億円ですが、働き方を見直すことで、達成可能であることは十分にわかったのではないでしょうか。
本文中では、いくつかのパターンだけしか考えませんでしたが、実際には介護や傷病など、色々な条件が加わってくるでしょう。
更に、コロナなどのように社会状況が一変するような出来事があれば、シミュレーション通りに行く可能性の方が少ないでしょう。
しかし、シミュレーションをし、目標設定すること自体が重要であり、目標は途中で修正が可能です。
是非、しっかりと将来設計を考えてみましょう。