誰もが目指していると言っても過言では無いFIRE。
毎日満員電車に揺られる生活を一刻も早く辞めて、自分の人生を自分のために使いたい。
そう思っている人は多いでしょう。
しかし、そんなFIREも一定数失敗があるようです。
結果、FIREする事をやめる人が続出しています。
今回は、そんな
「思っていた早期退職とは違う」
というポイントと、FIREを目指す段階で知っておきたいポイントをまとめました。
FIRE卒業とは
FIRE卒業とは、
「FIRE生活後に再就職する」
という状況を表しています。
多くの人にとって
「会社に雇われずに自由な生活をする」
というのが、FIREの大きな目標の1つだと考えられます。
にも関わらず、折角自由の身になったのに、その後改めて就職をしたい人がいる。
これが、FIREを目指す人からすると、衝撃となり大きな話題になったと考えられます。
卒業という単語だけ聞くと、良いイメージを持つ人も多いと思いますが、その内情は
「思っていた理想の生活との乖離があった」
という部分が大きいようです。
敢えてFIRE卒業をする理由
さて、そんなFIRE卒業をする理由は何なのか。
ここではその一般的な理由を見ていきましょう。
暇すぎてすることがない
1つ目はこれです。
「やりたいことがあったわけではなく、ただ会社を辞めたかった」
こういう消極的なFIREは決して少なくありません。
心身を病むほど仕事をする毎日の中で、今の環境に耐えられずに辞める人は多いでしょう。
しかし、結果としてこれまで仕事をしていた「8~12時間」が毎日余暇になります。
そうなった時に、やりたいことがない人は、この暇が苦痛になってくるようです。
やりがいを見失う
次に、やりがいを見失うことです。
充実感とも似たような意味合いになりますが、どんな仕事でも
「〇〇の瞬間には達成感や充実感があった」
という事は多いです。
しかし、日々の忙しさに押しつぶされてしまった結果、そういったことに気付かずにFIREしてしまう。
結果として、やりがいや充実感を失ってしまう事により、それを得るために再度就職をする人が出てくるのです。
思ったよりもお金が足りない
次に金銭的な問題。
一般的には「生活費の年収の25倍の資産を作ればFIRE可能」と言われています。
しかし、例えば毎月の支出が20万円とし、年間で約240万円。
この25倍の6000万円でリタイアしたとします。
一般的な取り崩しルールの「4%ルール」を使い、年間240万円を投資資金から引き出す。
しかし、そこには税金が20%かかり、実際には192万円しか手残りがない。
この計算をしていなかった人が一定数存在します。
そして、他にも
・思ったより物価が上昇して生活が苦しくなった
・生活するだけで精一杯で趣味などにお金をかけられない
・急な出費に耐えられない
などの理由で、金銭的に困窮するケースがあります。
特に注意したいのは
「サラリーマン時代は仕事が忙しくて、お金を使えなかったから生活費が少なかっただけ」
という人。
毎日暇になって、何かしら趣味に興じるようになったり、ちょっとでかけてカフェに入るだけでも、じわじわと出費が膨らみます。
こういった想定外の支出により、投資からの収入だけでは足りなくなってくるケースがあります。
人との関わりがなくなる
仕事をしていると、どれだけコミュ力がない人でも、一定数の人との関わりが発生します。
しかし、仕事をやめてしまうと、これらの人間関係がなくなります。
また、FIREを羨ましいと思っている人は多く、妬みの感情からも周りと疎遠になるケースが多いです。
こういった中で、人との関わりを求めてFIRE卒業する人がいます。
虚無感に襲われる
仕事をしておらず、毎日自由な時間を(しかもお金をかけずに)生活していると、
・自分が成長している感覚
・自分が前に進んでいる感覚
という物が感じられづらいです。
ただただ年を取っていく。
こういった感覚に人生の虚しさを感じる人も多いようです。
FIRE卒業は、失敗ではない
ただ、FIRE卒業をする人を見て
「FIREに失敗した人」
という印象を持つ人もいるかと思います。
しかし、個人的な感覚としてはFIRE卒業は失敗ではないと考えています。
確かに、金銭的に厳しくて再就職をせざるを得ない人などは、失敗したように映る可能性があります。
更に、このFIREで生活をしていた年数が長ければ、履歴書的に次の就職が難しくなるのも事実でしょう。
FIRE前には大企業で働いていた人も、FIRE卒業後の就職は低賃金の仕事しかない・・・なんてこともあるでしょう。
でも、FIREという普通の人では難しい生活を達成したことや、自分の目指すライフスタイルを明確にできることには大きな意味があります。
また、FIRE卒業と言っても完全にフルタイムの仕事に戻る必要性は無く、単に人との関わりを持つだけなら、簡単なバイトでもボランティアでも可能なわけで。
これからの人生の選択肢が一般的なサラリーマンに比べて、まだまだ圧倒的に多いのも事実でしょう。
FIREを目指す上で知っておきたい7つのポイント
さて、この記事では
「FIRE卒業をしなくても良い今からできる準備」
についても触れておこうと思います。
FIRE卒業が話題になったとは言え、私自身もFIREを目指しています。
現段階で私自身が大切にしているFIREの準備や心構え。
これが今後FIREを目指す人の参考になるかもしれません。
FIREそのものを目指さない
そもそもですが、FIREそのものをゴールにしないことが重要であると考えています。
私個人で言うと
「歌やライター業などに専念するために自由な時間を作りたい」
「農業などもやってみたいけど、サラリーマンとして働くと勤務地などの兼ね合いもあって難しい」
などがFIREを目指す理由です。
あくまでも時間とお金に余裕を持たせる。
そのための手段がFIREという言葉になっているだけなのです。
反対に
「今の仕事が嫌だから目指す」
「働きたくないから目指す」
というような気持ちでは、FIRE卒業まっしぐらでしょう。
ただ、会社をやめたいことが原動力の一つである分には何ら問題ないと思っています。
その上で、プラスアルファ、ポジティブな理由を探しておくと良いでしょう。
経済的自立は目指すべきだが、早期退職は人による
FIREは、前半が「経済的自立」後半が「早期退職」と訳されます。
個人的に前半の経済的自立は大いに賛成です。
経済的に自立できていない状態では、自由がなくなりますし、搾取され続ける人生になるでしょう。
しかし、早期退職については人それぞれの考え方があると思っています。
更に言うと、私自身も会社からは退職したいものの、個人で仕事をする予定です。
フリーランスという形になるか、法人化するかは別にして、雇われない形での仕事を継続していく予定です。
何なら、友達と一緒にビジネスを立ち上げるとかも、今準備中です。
これまでの仕事以外の時間を振り返る
FIREを考える際に、これまでの人生の仕事以外の人生を振り返ってみるのも良い方法です。
例えば私は無償でも楽しそうなビジネスや、自分のスキルアップにつながる仕事をやってきました。
例えば3D動画制作などもちょっとだけ手掛けていましたが、こういうクリエイティブな事は好きです。
なので、それに時間を割く割合が増えるのは、苦痛ではなくむしろ幸せです。
しかし、仕事以外の時間に何もしていないようなら、その時間の割合が増えれば、苦痛に感じる人がいても当然です。
「どういう生活かを想像する」
という意味でも、過去の自分の生活スタイルを振り返るのは有効な手段でしょう。
やりたい事もやりたく無い事も明確にする
やりたい事とやりたくない事。
この2つを明確にしていくと、FIREの自分なりのスタイルが見つかります。
意外とサラリーマンの方が向いているし、楽しいという人も多いと思います。
しかし、
・生活ギリギリの薄給
・満員電車の苦痛
・フルタイムの仕事
という労働環境が嫌で仕事を辞めたいと考えている人は、多いと思います。
そのため、やりたい事とやりたくない事を明確にしていき、単に
「仕事が嫌」
で終わるのではなく、
「仕事のどういう部分が嫌なのか」
を考えてみるのがおすすめです。
私で言うと、
・売上と利益を追求する働き方
・単純作業や意味を見いだせない雑務
・人の役に立っていると実感できない仕事
・人を騙す売り方
・保守的な仕事
・変化のない仕事
・満員電車
・早起き
・高圧的な上司
・フルタイム
・成長を感じられない仕事
・特定の場所に行かなければならない
などは嫌です。
逆に言うと、仮に上記を全て満たすような仕事があった場合には、早期退職は必要ないと思っています。
ただ、こういった働き方をしようとすると、どうしてもフリーランスにならざるを得ないので、現状はサラリーマンは辞める予定です。
敢えてサイドFIREを目指すのもあり
上記と関連している部分もありますが、最初からFIREを目指さずに仕事をしながら資産収入と労働所得で暮らす「サイドFIRE」を目指すのもありだと思います。
こっちのほうが資産額が少なくても実現可能なことに加え、色々とライフスタイルが変化する上でも対応しやすく、株式相場の暴落などにも強いです。
また、時間的な余裕も得られ、職歴もそれほど汚れない。
こういう働き方を選択するのも一つの手段でしょう。
人との関わり・社会貢献・生きがい・収入
人との関わりや、社会貢献・生きがいや収入。
これらに関しては、できるだけ詳細に考えておくほうが良いでしょう。
単に
「今の生活が月20万円だから・・・」
という思考で止まるのではなく、FIRE卒業の理由のところでも話したような内容を加味して、よりリアルなFIRE生活を想定してみると良いでしょう。
その結果、社会貢献がしたいから、今からボランティアに参加してみよう・・・みたいな思考になるかもしれません。
私自身も、今ボランティアへの参加を考えています。
これは、FIREそのもののためというよりは、最近新しい人との出会いが無いのと、在宅勤務なので、ちょっと寂しかったり笑
段階によって運用リスクは変えるべき
FIREをする上で、重要なのは「資産管理」です。
これをしっかりと行っていなければ、FIRE後の生活が安定しません。
例えば、前述した4%ルール。
これは、半分を株式、半分を債権で実験されているものです。
しかし、このルールだけが広まった結果、
「株式100%」
でFIREする人も見かけます。
そうすると、株式が好調な間は、しっかりと生活ができますが、株式市場の暴落にあえば、想定外の資産運用結果になります。
理想としては、投資元本を増やす段階では株式などのリスク資産に投資し、引退後は債権などの低リスク低リターン商品の割合を増やすなど、工夫が必要です。
これらも、実際に仕事を辞めてしまう前に、しっかりと勉強しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、FIRE卒業という世間的に注目されているキーワードについて触れてきました。
私自身も、最初はFIREに失敗したような印象を持っていましたが、その内情を知ると
「単に失敗とも言い切れない」
という感情が強くなりました。
現在は、失敗ではないと感じていますし、自分自身も十分にありえると思っています。
(ただ、そもそもサイドFIREにする可能性が高いですが)
このサイトでは、投資や副業について色々な情報に触れていきます。
是非、他の記事も参考にしてもらって、最高のFIREを目指しましょう。