サイドFIREは、多くの人にとって
「自分でも達成できそうなFIRE」
という認識だと思います。
実際、ファットFIREは多くの人にとって現実味がなく、リーンFIREはそもそもおすすめできる生活スタイルではありません。
では、サイドFIREを達成するためには、
・どのくらいの年収が必要なのか
・どのくらいの貯蓄率が必要なのか
気になる人は多いのではないでしょうか?
今回は、そんなサイドFIRE事情について解説していきます。
私自身、現在はサイドFIREを目指して邁進中です。
そのために年収を上げたり、副業をするなど色々な行動をする中で
「普通の人が目指すべき水準」
が見えてきました。
今回はそんな私自身の経験を元にお話ししていきます。
読んでいただく事で、あなた自身がコスパ良くFIREを達成できるようになるでしょう。
サイドFIREを目指すために重要な要素
まずは、サイドFIREを達成するために必要な要素はどの様なものがあるでしょう?
年収
当然ですが、年収が低いよりも高い方が、サイドFIREまでの期間は短くなります。
本業で出世するか、副業もするかは別にして、年収を上げる努力が必要です。
というのも、投資の基本は
「元本が少ないと大した投資収益が得られない」
という事です。
高い利率を求めれば、その分リスクも増します。
そのため、一般的なFIREは、投資信託で
「中リスク・中リターン」
を得るような形です。
そうなると、ハイリターンでない分、元本が多い事が重要になります。
だからこそ、年収アップが重要になるのです。
貯蓄率
貯蓄率は、月収の中からいくら位を貯蓄や投資に回せるのかを表しています。
月20万円の人が5万円を投資に回せば、25%という事になります。
この貯蓄率が高ければ高いほど、その分投資元本が増えます。
ただし、これは年収と複合的に考える必要があります。
「年収が高いけど貯蓄率が低い」
「貯蓄率が高いけど年収が低い」
となると、FIREにかかる年数が長くなります。
ただ、この時に考えないといけないのは、
「単に上げるだけでは、人生が楽しくなくなる」
という点。
無理矢理カツカツの生活をした結果
「若い時に旅行などが出来なかった。歳をとってFIREを達成したものの、もう旅行できる体力がない」
なんて事になれば、本末転倒。
人生の満足度と貯蓄率も、併せて考える必要があるのです。
家族構成
次に、家族構成。
極論になりますが、
「独身実家暮らし、彼女なし、趣味なし」
みたいな人で、年収がそれなりにあれば、FIRE達成はかなり楽です。
実家に5万円を入れるだけで他に使わなければ、年収500万円でも、年間300万円くらいの投資が可能です。
反対に、子供がいて奥さんは専業主婦みたいなパターンだと、生活費が高くなりますから、貯蓄や投資に回せるお金は少なくなります。
このように、家族構成や家庭の状況は、資産形成において非常に重要な要素なのです。
サイドFIREに必要な年収は?
さて、続いて具体的に家庭の状況ごとに、サイドFIREに必要な年収を見ていきましょう。
改めて書きますが、サイドFIREは
「ちょっとした仕事 + 投資収益」
で生活することと定義します。
独身実家暮らし
今後も独身実家暮らしを続ける前提なら、必要な資産額は非常に少なくなります。
親の持家で、更にそれを遺産相続する事が決まっていれば、それこそ修繕費と固定資産税だけを計算していれば、生活自体は可能です。
そうなれば、年間に必要な収入は200万円もあれば十分でしょう。
その半分を投資からの収益で賄うには、約2500万円の資産が必要になります。
そして、サイドFIREを20年で達成したいなら、1年あたり100万円ほど投資に回せれば、この20年で得られる投資収益も合わせれば達成可能です。
という事は、必要な年収は手取りで300万円ほど。
内、60万円は実家に入れるお金(月5万円)、100万円を投資に入れれば、残りは140万円。
月に10万円以上を使えるので、かなり余裕のある生活が出来ますし、旅行や友達付き合いをそれほど減らす必要がありません。
額面では400万円に満たなかったとしても、この環境ではサイドFIREができる計算になります。
更に、持家ではなく賃貸の場合には、ここに家賃を払えるだけの資産収入を加え、年収は平均の440万円前後を目指せば達成可能であると考えられます。
共働き
次に、共働きの場合。
子供の有無でもかなり変わりますし、家の購入を考えるとかなり額が変わりますが、普通に生活をするだけなら、夫婦2人の生活費の平均は25万円ほどです。
その半分を投資から得るためには、3750万円の資産が必要です。
今も同じだけの生活費がかかり、且つ20年でサイドFIREを達成することを考えると、必要な年収は
生活費300万円/年 + 投資150万円/年
が必要になり、年間手取りで450万円が最低限必要になります。
額面に直すと、600万円前後は必要な計算になります。
ただ、夫婦共働きの場合には、
夫年収300万円+妻年収300万円
と
夫年収450万円+妻年収150万円
では、一般的に後者の方が所得税が高くなります。
そのため、場合によってはもう少し収入を上げるか、節約をする必要が出てくるでしょう。
また、子育てには、1人あたり5000万円が必要とも言われており、それを考慮するとサイドFIREまでの年数を少し増やすなど、工夫が必要になるでしょう。
独身一人暮らし
独身一人暮らしの場合は、将来的に結婚するかや、個人の趣味、住む場所などでかなり条件が変わりますが、仮にサイドFIRE後は田舎に引っ越すような計画の場合。
サイドFIRE後に必要な年収はかなり低くなります。
人によっては、月15万円もあれば生活できるでしょう。
そうなると、半分を投資収益にした場合、2250万円で済みます。
以前メディアで見た人は、月に10万円でも十分に豊かに生活しているということでした。
そうなると、更に資産額は少なくて済みます。
この場合、都会では月に20万円の生活費がかかる前提で、15年で2250万円を貯めようと思った場合、年間150万円の貯金で達成可能です。
投資収益も考慮すると、120万円ほど投資に回せれば達成可能です。
すると、手取り年収は360万円で良い計算です。
額面の場合は500万円ほど必要になりますが、都会でなら不可能な年収ではありません。
しかも、この計算では生活費を20万円としていますが、工夫次第で節約も可能でしょう。
ただし、この場合前提としては
・途中で生活費が上がらない
・途中で結婚したいと思わない
・途中で子供を育てたいと思わない
などが挙げられます。
これは、人によってはかなり人生の選択肢が狭まる可能性があります。
そのため、もう少し余裕を持って資産計画を立てる事をおすすめします。
サイドFIREに必要な貯蓄率は?
さて、次に大切な貯蓄率についてです。
先程の計算から、必要な年収を出しましたが、そのうち投資に回している金額は下記のようになります。
【独身実家暮らし】
額面年収:400万円/年
投資額:100万円/年
貯蓄率:25%
【共働き】
額面年収:600/年
投資額:150/年
貯蓄率:25%
【独身一人暮らし】
額面年収:500万円/年
投資額:120万円/年
貯蓄率:24%
上記のようになり、15年スパンで見た時には、概ね25%が必要な貯蓄率となります。
ただし、この時に注目したいのは
「もっと稼げるなら、もっと貯蓄率を上げられる」
ということ。
例えば、年収100万円の人の25%である25万円は、かなりの大金です。
残りの75万円で生活が必要になるのですから。
しかし、一方で年収1000万円の人が25%である250万円を投資に回しても、残りが750万円もあります。
(税金は計算が面倒なので無視します)
750万円もあれば、かなり余裕のある生活が可能ですよね。
このように、同じ割合の場合
「年収が低いほど苦しく、高いほど余裕がある」
という状況になります。
更に言うと、年収が高い人はそれだけ多くの金額を投資に回しても、生活自体は可能であると言えます。
このことから、ざっくりとした年収と貯蓄率の理想は下記のようになると考えています。
先程は必要な資金から年収を出しましたが、今回は年収をベースに貯蓄率を決める考え方です。
年収の額面 | おおよその手取り | 理想の貯蓄率 |
---|---|---|
250万円 | 200万円 | 25万円/年(10%) |
300万円 | 240万円 | 40万円/年(13%) |
350万円 | 280万円 | 50万円/年(14%) |
400万円 | 320万円 | 70万円/年(18%) |
450万円 | 350万円 | 90万円/年(20%) |
500万円 | 400万円 | 120万円/年(24%) |
600万円 | 480万円 | 150万円/年(25%) |
650万円 | 510万円 | 180万円/年(28%) |
700万円 | 550万円 | 210万円/年(30%) |
750万円 | 600万円 | 250万円/年(33%) |
800万円 | 640万円 | 300万円/年(38%) |
もちろん、投資をする額が大きくなれば
「折角たくさん稼いでいるのに、生活が良くならない」
と感じる時期もあるでしょう。
しかし、将来の安心や安定を考えるのであれば、こういった選択もありではないでしょうか。
まとめ
今回は、サイドFIREを前提として、達成するために必要な年収や貯蓄率を見てきました。
多くの人にとっては
「これくらいやればこのくらいでFIREが目指せるのか」
という指針になったのではないかと思います。
もちろん、実際にどのくらいの額を投資に回せるかは、その人の状況によって大きく異なります。
しかし、一つの指標としてもらった上で、自分の状況に応じて
・年収を上げる(転職や副業・出世によって)
・生活費を下げる
・FIREまでの年数を増やす
などの選択をするための基準にして欲しいと思っています。
このサイトでは、FIREを目指す人のために、副業に関連する情報も多数掲載しています。
これからFIREを目指したい人も、今の生活水準を上げたい人も、是非他の記事を参考にしてみてください。