あなたはこれまで、自己紹介やプレゼン等、自分や商品を売り出す際に
「なんとなく顧客に伝わってる気がしない」
とかんじたことはありませんか?
自分にはやりたいことや目指しているものがあるのに、それを語っても
「自分語りのうざいやつ」
と思われてしまっては、印象が悪いです。
本来売れるはずの商品も売れなくなるかも知れませんし、金銭的な意味合い以外にも
「協力者になってくれるか否か」
は、大きな問題です。
自分の伝えたいことを伝える、そして協力してもらえるための方法として
「ヒーローズジャーニー」
があります。
今回はこのヒーローズジャーニーについて説明していきます。
ヒーローズジャーニーとは
ヒーローズジャーニーとは、昔から使われ続けている物語の構造の理論です。
古代の神話から、現代の人気作品まで共通するもので、アメリカの文学者、ジョセフ・キャンベルが提唱しました。
ヒーローズジャーニーは、次のような流れで話が進みます。
1.主人公に使命が与えられる。もしくは使命に目覚める
2.自分の現状に満足していない状況に陥る
3.使命のために旅立つ
4.主人公は困難に直面し、成長する
5.使命を達成する
間に、各ストーリーによって要素が追加されたり、順番が前後する様なケースもありますが、大筋は同じ様な形になることが多いです。
最近の漫画やアニメでもこういった構造は多く、非常に長い間活用されてきたストーリー構造なのです。
ビジネスでヒーローズジャーニーを利用するメリット
ヒーローズジャーニーは、多くのストーリーで利用されている方法ですが、これを何故ビジネスで利用するのか。
ここでは、それをみていきましょう。
ブランドイメージを確立する
物語は、単純に事実を説明するのに比べて、圧倒的に記憶に残りやすいです。
日本でも、昔話の内容は多くの人があらすじを知っていますし、小さい頃に聞いた話を、大人になってからも覚えています。
それだけ、記憶に定着しやすいストーリーを、自社のブランドに当てはめると、
「顧客にずっと覚えてもらえる会社」
になることが可能です。
応援されやすい
ヒーローズジャーニーを利用することで、
「共感される」「応援される」
という機会が増えます。
多くの場合、ヒーローズジャーニーでは
「主人公が困難に立ち向かって乗り越える姿」
が描かれます。
この姿に対して、応援したいと思う人や、
「自分も同じ様な事で悩んで、自分は諦めてしまった」
という人も多いです。
特に、「自分よりも圧倒的に強いライバルに負ける」などは、多かれ少なかれ誰しも経験してきたはずです。
その様な中で、頑張って乗り越えてきた姿と言うのは、それだけでユーザーの感情を揺さぶります。
差別化が可能
他社と同じ様な製品でも、ヒーローズジャーニーを活用することで差別化が可能になります。
例えば、アトピー性皮膚炎を改善する保湿クリームを開発したとします。
A社は
「今までやってきた技術を、組み合わせたら作れるから作った」
B社は
「お金になりそうだから作った」
C社は
「社長の子供が重度のアトピー性皮膚炎で、その痛々しい姿を見ていたたまれなくなったから、開発をスタートした・・・」
という様な想いで商品開発すれば、当然C社が圧倒的に有利になります。
この様に、ヒーローズジャーニーというのは、ビジネスにおける差別化の手法の一つでもあるのです。
ヒーローズジャーニーの作り方例
では、具体的にヒーローズジャーニーの作り方の例を見ていきましょう。
まずは、主人公の設定
最初に、主人公を設定します。
個人でビジネスをしている場合には、自分を主人公にするのが一般的です。
会社の場合は、社長や創業者、商品開発の根幹となる人物が最適です。
この後の展開もあるので、
「最も困難に直面し、最も壁を乗り越えた人」
という観点で主人公を選ぶのも良いでしょう。
主人公は、読者の共感や親しみを持ってもらうためにも、詳細な情報を記載していきます。
・見た目
・性格
・家庭環境
・家族との関係
・好きだったもの
など。
読者がハッキリと脳内で主人公を思い描ける状態に加え、この後のストーリーを見据えた上で、不要な内容を出来るだけ省いて記載していきます。
主人公の問題を決める
ヒーローズジャーニーでは、基本的に1つのストーリーで1つの大きな問題を決めます。
長編の場合には、色々な問題を解決する事もありますが、ビジネスで利用する範囲のヒーローズジャーニーの場合には、問題が複数あると、情報が渋滞します。
1つの大きな問題から、複数の小さな問題に派生するのはOKです。
例えば、
【大きな問題】
魔王を倒す
【小さな問題】
・自分自身の力が足りない
・技の習得
・仲間を集める
・武器を作ってもらう
などのような形です。
これが、大きな問題である「魔王を倒す」以外にも「財宝を探す」「世界一の美女と結婚する」なども目標にしてしまうと、話がややこしくなります。
反対に、終始主人公が順風満帆な生活をすることは、ストーリーとして魅力的ではありません。
困難に直面し、乗り越えていく
次に、先程の小さな問題を解決するために動いていきます。
この時に、ストーリーとしては
「何かをきっかけにその事に気付く」
というのが自然です。
例えば、「自分自身の力が足りない」ということに対して、
・ライバルに負ける
・本当の強者を目の前に、自分との力の差を思い知る
・魔王軍幹部を目前に「絶対に勝てない」と確信してしまう
などが挙げられます。
こういったきっかけなしに、急に
「そうだ!自分は実力が足りないから鍛えなきゃ!」
なんて展開にしてしまうと、その流れが見えず、読者に伝わりません。
そして、きっかけを元に困難に直面した主人公は、困難を乗り越えるために、行動します。
その中で、新しい出会いや成長などを描いていきます。
ビジネスでも、
【きっかけ】
製品化して販売したが、顧客からの反応を得られなかった
【困難を乗り越える】
・圧倒的な量を売り歩く
・顧客の問題を解決するために奮闘する
・凄腕コンサルタントとの出会いで、間違いに気付き改善する
・新しいビジネスパートナーとの出会いで商品がバージョンアップする
などのストーリーが考えられます。
クライマックスを作る
最終的には、大きな問題を解決して、ハッピーエンドの流れを作っていきます。
特に最終章では、これまでやってきたことの振り返りをしたり、詳細な感情を表現するなど、心理描写が重要です。
ビジネスなら、
「これまでのイメージを一新した商品。この開発のためにこの3年間は、死にものぐるいで働いてきた。
そして、この商品の販売は12時間後の午前10時。
ネットショップでの販売のみで、午前9時からはネット広告も入れる。
チーム全員が見守る中、最終調整に入る・・・」
などのような形で、より臨場感のある内容を作り込んでいきます。
まとめ
今回は、ヒーローズジャーニーについて見てきました。
物語は、多くの人を魅了する素晴らしいツールであり、ビジネスでも利用可能なものです。
商品ページから、メルマガまで様々な所で利用できるため、是非一度挑戦してみてください。