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残業代で稼ぐのは有り?管理職から見た生活残業とリスク

残業代で稼ぐのは有り?管理職から見た生活残業とリスク

多くのビジネスパーソンにとって、残業代は貴重な収入源となることがあります。

しかし、残業代を稼ぐために意図的に業務を引き延ばす「生活残業」が、キャリアや評価にどのような影響を及ぼすのか気になるところです。

本記事では、管理職の視点から残業のメリットとデメリットを掘り下げ、残業代を稼ぐことのリスクについても詳しく解説します。

さらに、生活残業を避けるための副業の活用方法についても紹介します。

私自身は、現在管理職として20人程度の部下の管理をしています。

その中で、やはり残業の有無は人によって・業務によって異なりますが、会社からの評価はかなり変わってきます。

今回は、そんな私自身が管理職として感じていることを踏まえてお話していきます。

基本的に残業は会社からすると損しかない

まずは基本的な考え方から。

残業というのは、基本的に会社からすると損しか有りません。

というのも、残業代は通常の1.25倍ですよね。

22時以降だった場合は、1.5倍になります。

同じ1時間でできる仕事量が同じと考えると、その分会社の利益が減ります。

会社及び、管理職はこの利益を計算することが仕事ですから、
残業が多い人がいる = 利益が減る
ため、損しかしません。

残業代を稼ぐのは悪いこと?管理職から見た残業

次に、私自身を含めた管理職から見た際の「残業」について見ていきたいと思います。

全ては会社から信用されているか

社員が残業することについて、管理職の視点から見ると、「会社からの信用」が何よりも重要です。

残業を多くすることで「頼りにされている」と評価される場合もありますが、逆に「時間内に仕事を終わらせられない人」と思われるリスクもあります。

このどちらになるかは、基本的にはよほどのマイクロマネジメントをしていない限り「本人が会社から信用されているか」が最も重要です。

極論ですが、信用している人が残業している場合、
「本当に必要な作業があったんだろうな」
と感じますし、信用していない人が残業すると
「その残業、本当に必要なものだったの?」
と不信感を持つことがあります。

業務量や成果が適切なら有り

残業が必要な場合もありますが、重要なのは業務量と成果が適切かどうかです。

計画的な残業であれば評価されることも多く、プロジェクトの成功に貢献できれば、管理職からの評価も上がるでしょう。

しかし、ただ単に時間を延ばすだけの残業は、評価に繋がりません。

例えば、
「プロジェクトは納期よりかなり早く完了したのに、プロジェクトの初期にかなりの残業をしていた」
という場合。

これは、リスク管理と取られるか、それともスケジュールを組むのが下手と見られるか。

これも前項の信頼の影響も大きいですが、基本的に
「アウトプットが適切な範囲なら許される」
と言えるでしょう。

一時的になら有り

突発的な業務増加など、一時的な残業は必要とされる場面もあります。

この場合、「一時的な対応力」として評価されることもあります。

例えば、プライベートで有給を取るために残業する。

こういうのも、会社からすると損ですが、よほどの時間でない限り黙認されます。

ただし、これが常態化すると、逆に効率の悪さを指摘されることもあるため、バランスが重要です。

会社によっては評価が上がる

一部の企業では、「残業してでもやり遂げる姿勢」を評価する文化が残っています。

このような職場では、残業を厭わず働く社員が昇進しやすい傾向があります。

しかし、時代の流れに合わせて、効率を重視する企業が増えているため、評価基準も変わりつつあります。

これも、前述した「アウトプットが適切」であることが前提になりますが、残業が評価されるケースが有るのです。

生活残業は「仕事ができない」評価

一方、生活残業は「仕事ができない」と見なされがちです。

意図的に残業を増やすことで、業務効率の低さが露呈し、結果として昇進や昇給に悪影響を及ぼすことがあります。

特に、
「そんなに多くの仕事量を渡していない社員」
が残業をするような場合は、この生活残業と考えられる可能性が高く、評価が下がる可能性があります。

残業代をわざと稼ぐことのリスク

さて、生活残業をしている人もちらほら見られますが、この生活残業には大きなリスクがあります。

残業込みの給料に慣れてしまう

残業代がないと生活が成り立たない場合、基本給の見直しを怠ってしまうことがあります。

その結果、残業がなくなった際に収入が激減し、生活が困窮するリスクも伴います。

特に最近は、働き方改革で残業を減らす動きが見られます。

そうなると急激に給料が下がる可能性があります。

上司の評価が下がる

上司は部下の残業時間を把握しており、必要以上の残業は「業務効率が悪い」と判断されることがあります。

これにより、評価が下がり、昇進のチャンスを逃す可能性があります。

特に、
「これだけの仕事量しかやっていないのに、残業が月に20時間もある」
というような印象を持たれれば、その人に権限を与えたいと思う人はいないでしょう。

生涯賃金が下がる可能性がある

残業を常態化させることで、定時内での生産性が低下し、結果的にキャリア全体での評価が下がります。

昇進や昇給が見込めなくなり、生涯賃金が下がるリスクもあります。

例えば、生活残業で月5万円を稼いでいたとします。

すると、年間で60万円の得をしたように感じますよね。

しかし、その残業がアウトプットに繋がらない場合、会社としては
「60万円(保険や年金を考えるともっと)損している」
と捉えられます。

結果、年間の昇給額が本来1万円/月のところを3000円/月にされたとしましょう。

これが20年続くと、20万円/月と6万円/月と、14万円の差が生まれます。

ということは、年間で168万円の差が生まれることになります。

昇格を考えれば、年間で300万円ほど変わる人も出てくるでしょう。

そうなれば、生活残業で得をするよりも遥かに大きい金額を失う可能性があります。

ちなみに、昇給すればその分残業代も高くなるので、その部分で考えても損をする可能性が高いです。

長い社会人生活だからこそ、少しずつの給料の差や昇給の差が、生涯賃金でみると大きな影響を受けるのです。

居心地の悪い会社になる可能性がある

意図的に残業をしていると、同僚や上司からの目も厳しくなります。

「残業代稼ぎ」として見られると、社内での居心地が悪くなり、職場の雰囲気が悪化することもあります。

例えば、毎日残業しているような人が、他のチームに入る際に
「そういう人はいらない」
と、チーム長に断られるようなケースもあります。

そうなってくると、段々と会社での居心地が悪く感じてしまうでしょう。

余計な仕事を振られる可能性もある

残業が多く、且つ仕事量が少ない場合には「時間に余裕がある」と見なされ、余計な仕事を押し付けられるケースも増えることがあります。

これが続くと、
「生活残業から、業務量が多くて残業」
になります。

通常、生活残業をする人は
「楽に収入を増やす」
ことが目的です。

結果として業務量が増え、仕事が忙しくなって残業をする場合は、ストレスが大きい可能性があります。

クビのリスクが上がる

企業がコスト削減を図る際、残業の多い社員は「コストがかかる」としてリストラの対象になりやすいです。

残業代を稼ぐために無駄な残業をしていると、逆に自分の首を絞める結果になりかねません。

生活残業するくらいなら副業を検討しよう

個人的には、残業よりも副業のほうが稼げるので、残業をする必要性が有りません。

同じように、残業をわざわざするくらいなら副業をする方がメリットが大きいと感じています。

将来的な時間単価は高くなる

副業で得たスキルは、本業にも活かせることがあります。

時間単価を上げることで、生活残業に頼らずに収入を増やすことが可能です

私自身も、副業で得たスキルが本業に活かせていることは多く、結果として収入が大きく上がりました。

会社での評価が上がる

副業で得た知識やスキルを活用することで、社内での評価が向上し、昇進のチャンスが広がります

特にITやマーケティングの分野での副業は、実務に直結するスキルが多く、重宝されます。

私の場合は、副業で依頼をもらっていたクライアントが、本業の会社に仕事を依頼するケースが有り、会社の売上も上がり、会社内での評価も上がりました。

固定残業があるならなおさら副業

固定残業代が含まれている給与体系の場合、それ以上の残業をしても収入が増えないため、副業に時間を使った方が効率的です。

副業で得たスキルが本業に役立つケースも多いため、長期的なキャリア形成にも繋がります。

また、副業の場合は残業とは違って、将来の起業のための準備になったり、副業の内容によっては不労所得になったり。

色々なメリットが有る副業だからこそ、残業よりも遥かに良い選択だと感じています。

まとめ

残業代を稼ぐために意図的に業務を延ばす「生活残業」は、短期的な収入にはつながるかもしれませんが、長期的なキャリアや評価に悪影響を及ぼすことが多いです。

そのため、効率的に働き、副業などで新たな収入源を確保する方が賢明です。

残業に依存しない働き方を目指し、より充実したキャリアを築いていきましょう。

ABOUT ME
WEBライターこはく
WEBライターとして10年以上に渡って活動。 副業としての最高月収は40万円/月(執筆のみの収益) 『難しい話をわかりやすく』 をモットーに、毎月数十万字の執筆を行う。