日々変わっていく社会情勢。
大きく変わったことの一つに「働き方」が挙げられます。
年功序列は徐々になくなり、実力主義と言われる時代になってきました。
そんな中で、ジョブ型雇用という言葉を聞くようになったのではないでしょうか?
実はこのジョブ型雇用、若者には不利になる可能性があるとも言われています。
この記事では、
・ジョブ型雇用とはそもそも何か?
・若者にどう不利なのか
・どうすれば対策できるのか
についてお伝えできればと思います。
私自身は、システムエンジニアとしてサラリーマンもしていますが、IT企業は比較的この考え方が強い業界と言えます。
なので、そこでの経験も踏まえ、若い人の働き方についてヒントを与えられればと考えています。
是非最後まで読み進めながら、10年、20年先の働き方を見据えてほしいと考えています。
ジョブ型雇用とは
まずはじめに、ジョブ型雇用そのものについてお話しします。
ジョブ型雇用とは、アメリカ型の雇用とも言われ、
「仕事内容に対して、採用活動をする」
ような雇用方法です。
反対に、日本の企業には
「色々な部署や業務内容をローテーションして色々な経験をする人材を育てる」
というような採用が見られます。
これをメンバーシップ型の雇用と言います。
これは、日本企業は終身雇用を前提とした考え方が残っており、
「長く働く上で、色々な経験をしている方が、得な場面が多い。特に、自社の癖や社風などを知る意味合いでも、さまざまな業務をやってほしい」
という考え方が強いのでしょう。
反対に、アメリカ企業や外資企業だと、転職は当たり前で、
「転職するなら、社風とか覚えるだけ無駄。それよりスキルや専門性を高めるべき」
というような考え方が強いのでしょう。
よく、アメリカ企業では
「契約書にない仕事は絶対にやらない」
などのようなサラリーマンの働き方が取り上げられますが、こういう働き方こそ、ジョブ型雇用なのです。
若者はジョブ型雇用で不利になる?
では、このジョブ型雇用は、若者に不利になるのでしょうか?
答えは「YES」です。
では、その理由を見ていきましょう。
ジョブ型雇用では、職務経験が重視される
ジョブ型雇用では、
「〇〇の職務経験3年以上」
のように、求人において経験が重視されます。
そうなると、大卒の場合、50歳の人は、社会人歴が28年あり、25歳は3年しか社会人歴がありません。
その中でどのような経験をしてきたかは個人によりますが、年数だけを比較される場合、若者の方が不利になりやすいのです。
若者は更に薄給を強いられる可能性も
更に、先ほどのように経験を元に採用を行っていくと
「未経験から育てる」
という概念が薄れる可能性があります。
もちろん、いきなりそうなるわけではありませんが、徐々に
「育てるコストと時間を考えると、出来る人を雇う方がいい」
と考えるようになってきます。
特にジョブ型雇用では、その人に向いている仕事かわからない状態で雇用してしまうのは大きなリスクになります。
結果として、若者は転職や就職のスタートラインにすら立てず、
・無給のインターン
・薄給のブラック企業
で経験を積む必要性が出てきます。
こうなってくると、若者の貧困化が更に問題となるでしょう。
合わなければ別部署へ・・・は難しい?
メンバーシップ型の雇用の場合には、終身雇用を前提としていたので、業務内容が合わなければ別の部署に行くことが容易でした。
しかし、ジョブ型雇用では
「この仕事をするために雇ったのだから、それが出来ないならクビ」
という働き方になる可能性が高いです。
そうなると、既に色々な仕事での経験をしてきた人の方が、若者に比べると自己分析がしっかりとできており、有利になると考えられます。
スキルアップが難しい
ジョブ型雇用では、短期間のプロジェクトや仕事になる可能性も高くなります。
そうなると、
「幅広い経験はしたけど、全て中途半端なレベル」
の人材になる可能性も高く、特に若いうちの土台を作る時期にこういう働き方をしてしまうと、将来的に非常に困ることになるかもしれません。
反対に、既に下積みの終わっている中高年の場合には、プロジェクトの長い短いが、あまり自身のキャリアに影響を与えない可能性もあるのです。
結果的に、今からいきなりジョブ型雇用に変わったとして、被害が大きいのは若者であると考えられます。
ジョブ型雇用を目指しつつある日本。若者の対策は?
一部の業界を中心に、ジョブ型雇用が拡がりつつある日本。
若者に不利な可能性の高いこの働き方に対して、どのような対策ができるのでしょうか?
汎用性の高いスキルと経験をつける
まずは、汎用性の高いスキルや経験を積むことが重要です。
汎用性が高いという事は、
「どの企業でも必要になるもの」
であり、下記のようなものがそれに当たります。
・プログラミング
・パソコンスキル
・コミュニケーション力
・マネージメントスキル
・チームビルディング
・プレゼンテーション力
・法知識
・ネゴシエーション力
使わない企業もあるものの、多くの企業で使えるスキルや知識であり、需要の高い能力なら、就職に有利に働きます。
反対に汎用性が低いスキルというのは
・社内の人脈を活かす(且つ、他社では同じような事が出来ない)
・自社製品に対しての知識だけがすごい(更に深掘りした情報には汎用性がある)
・細かい地域情報やゴシップ
これらのスキルも、そのスキルを付けてきた工程やそこで得られたコツには意味がある可能性があります。
しかし、一般的に見るとこれらのスキルや知識は他社で活かすことが難しく、汎用性が低いと言えます。
汎用性が高いスキルしか必要ないかと言われれば、そんな事はありません。
しかし、ジョブ型雇用を視野に入れて働くなら、汎用性が高いスキルをマスターする必要性があるのです。
わかりやすい実績を目指す
会社に入れたら、わかりやすい実績を作ることも、今後のためになります。
例えば、
「〇人のチームを率いて1億円のプロジェクトを成功させた」
のようなわかりやすい結果があれば、ジョブ型雇用においても、経験年数以上に有利に働きます。
また、わかりやすい結果から逆算して日々の業務を行う事も重要になります。
マーケティングを学ぶ
ジョブ型雇用になると、
「自分をいかに売り込むか」
が重要になります。
そのため、マーケティングについて深く学ぶことが出来れば、より良い自己の売り出し方がわかるようになります。
また、マーケティングスキルそのものも、汎用性の高いスキルであることから、若者ほど学んでおくべきでしょう。
中高年にはなかった武器で勝負する
単に経験年数を比較される場合には、若者が中高年に勝つのは難しくなります。
しかし、中高年の時代にはなかったものであれば、若者に分があると言えます。
例えばSNS。
今は多くの企業でSNS運用をしていますが、若い人の方が馴染みが深く、仕組みも理解しています。
こういった経験が活きるような仕事を選択するのも、ジョブ型雇用時代の一つの選択と言えるでしょう。
インプット力の強化
ジョブ型雇用では、
「会社に入ってから育成してもらう」
という概念を捨てた方が良いです。
プライベートの時間に勉強してスキルをつけることも、当たり前になります。
そうなった時に重要なのが、
「インプット速度」
です。
仕事がありながら、プライベートの時間で勉強する。
そうなった時に、短い時間で多くのインプットが出来ることがひとつの武器になります。
インプット力を上げる方法は色々ありますが、速読や速聴なども一つの方法です。
他にも、アウトプットの場を設けることもおすすめです。
副業・起業を目指す
ジョブ型雇用で困るのは、あくまでもサラリーマンとして働く場合です。
副業や起業して稼ぐ場合には、ジョブ型雇用の弊害を受けるケースは少ないと考えられます。
そのため、起業に焦点をあて、サラリーマンとして働く場合でも、その準備期間という位置付けで準備できれば、働き方に困る事はないでしょう。
まとめ
今回は、ジョブ型雇用についてみてきました。
個人的に、今まで見てきたサラリーマンの方は、
「このまま働いてると、将来困るだろうな」
という人が多いように感じました。
本文中でもお話ししたスキルの汎用性の問題もありますし、そもそも
「会社に依存している」
という人が多すぎると感じています。
自分で考える能力がなかったり、近視眼的な考えしかできなかったり、売り上げや利益に対して無頓着だったり。
あなた自身は、この記事を見てくれている以上、
このままだとやばいと感じているのではないでしょうか?
その気持ちを大切にして、是非一歩を踏み出してほしいと考えています。
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