「正社員じゃないとダメ」
というのは、親や周りから言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。
私自身も、昔から親やおばあちゃんから言われてきました。
ですが、今の時代本当にこの価値観が正しいのでしょうか。
私自身は、副業もバンバンやるし、派遣で働いていた時期もありました。
2回ほど個人事業としてやっていた時期もありますし、
「正社員じゃないとダメ」
とまでは感じていませんでした。
今回は、そんな中でガッツリ親や親族からの影響で
「正社員じゃないとダメ」
と言われ続けたウチの弟の話をしたいと思います。
コミュ障で高卒の弟
ウチの弟は、いわゆる「デキの良い人間」ではありません。
IT系の専門学校に通うも、学校のレベルについていけずに中退。
なので、最終学歴は高卒です。
コミュ障気味で、中学の時にはいじめにもあっていたようです。
能力的にも高いわけではなく、劣等生の道を歩んできたと思います。
特にコミュニケーションにおいては、かなり苦戦しているようで、兄弟ながらに
「面接受からないだろうな」
という感じがバンバン伝わってきます。
何度か就職はしたものの、職場環境や人間関係で転職を繰り返したり、3年くらいニートの時期もありました。
特に資格などのスキルもなく、勉強も苦手だったので、履歴書的にも就職に有利になる点はありません。
それでも親は「正社員じゃなきゃダメ」と教えてきた
そんなウチの弟ですが、親や親族からは
「正社員じゃなきゃダメ」
と言われ続けてきました。
私は大学から一人暮らしをしていますが、弟はずっと実家ぐらし。
そのため、私以上に親からの影響を強く受けていました。
結果として正社員を目指しますが、面接には通らず、親との仲も悪くなっていきました。
ウチの親はコミュ障ではないので、
「正社員になれない = 本人の頑張りが足りない」
という認識だったようです。
私が親と弟にしたアドバイス
たまたま実家に帰ったタイミングで、弟の就職の話に。
この話し合いを聞いていた私が感じたのは
弟は、働く気が無いわけではない。
でも、正社員に固執しすぎるがあまり、
・面接でメンタルをやられる
・就職のハードルが高くて失望する
・これまでの職場経験から人間関係に不安がある
ということが、転職活動の問題となっている
ということでした。
そのため、
「まずは派遣でも契約社員でも良いから働いて、その後にそこで働き続けるかを考えれば?」
というアドバイスをしました。
特に弟は面接が苦手なのはわかっているので、面接で良い印象を持ってもらうよりも
「派遣で入って、その仕事ぶりを評価してもらって就職させてもらう」
という流れのほうがあっていると感じたのです。
実際、私自身も履歴書は転職回数は7回ほどあり、かなり印象が悪いです。
それでも、派遣で入った社内SEの仕事では、何度も社員にならないかと打診されました。
こういった経験もあり、
「面接は弱いけど、仕事ぶりは評価される」
というタイプなら非正規から社員を目指す方がハードルが低いと考えたのです。
結果的に良い職場に巡り会えた
この話は、大体3年くらい前の話ですが、今弟はその当時派遣で入った仕事で、今も継続して続けているようです。
派遣の3年縛りまでもう少しとのことで、そこに正式に就職する事を検討しているようです。
会社の人やお客さんからの評判も上々のようで、不器用ながらに頑張って正社員の話ももらっているとのこと。
正直、弟があのまま正社員になることだけを目指していた場合、今でもニートだったんじゃないかと思います。
人には向き不向きがありますし、面接や履歴書ではわからない部分も多いでしょう。
そのため、こういった「入るハードルを下げて、仕事ぶりを評価してもらえる働き方」も、悪くないと考えています。
正社員じゃなきゃダメは嘘?
今回は、ウチの弟に限定した話でしたが、
「そもそも正社員や派遣など、雇われないとダメなのか」
という点でも、私は違うと考えています。
今の時代、色々なキャリアがありますし、ネットで仕事を獲得することも可能です。
私の周りにもそういう人はたくさんいて、色々なメリット・デメリットがあります。
ここでは、正社員以外の働き方で私や私の周りにいる人の例を挙げたいと思います。
フリーランス
私自身も、いっときはフリーランスをしていました。
このサイトのメインであるWEBライターを始め、プログラミングを少しやっていた時期もあります。
個人的にこのフリーランスという働き方は合わなくて辞めてしまいましたが、合っている人も多いのではないかと思います。
経験的に、合っていると感じる人のタイプとしては
・自分の商品やサービスを持っている
・営業力がある
・仕事を投げてくれるような人脈が広い
などが挙げられるかと思います。
私は営業力はなかった上に、広く浅くはできるものの、強い専門性が無いタイプです。
そのため、自信を持って自分を売り込んだり、仕事を貰いにいくとういことがデキませんでした。
当時仕事をもらっていたクライアントからは継続的に仕事をもらえていたものの、大口のクライアントが頓挫したタイミングで廃業・・・という事になってしまいました。
今まで働いた会社から業務委託に切り替え
私が良く一緒にいる友達に、
「今まで正社員で働いていた会社から、同じ仕事を自分の法人を作って、そちらに委託してもらう」
という方法で稼いでいる人がいます。
いわゆる節税対策込みでやっていますが、業務委託の契約が月140~160時間のような契約です。
1日8時間で計算すると、20日以下になるので、通常のサラリーマンよりも融通が効きます。
もちろん、契約を打ち切られる可能性などもあるので、良いことばかりではありませんが、副業規制などもなくなりますし、会社の経費で買えるものもあるので、こういう働き方も有りだなと思わされます。
実家ぐらしのアーティスト
正社員とそれ以外の働き方の不安として大きいのは
「金銭的な安定感」
でしょう。
この問題さえ解決すれば、正社員にならなくても良いと考える人も多いのではないでしょうか。
私の友達は、こういった考えの結果、
「実家で生活しながら、やりたい仕事で稼ぐ」
という方法を選択しています。
具体的には、イラストレーターとして活動しており、その他ブログなどをちょっとやっているような感じです。
やりたい仕事をメインにやっているので、働くことそのものが楽しい半面、
「やりたいこと = 世間的に需要のあること」
ではなかったため、金銭的には厳しい状況のようです。
ただ、こういった働き方でも、何かのきっかけで一気に収入を得る可能性もありますよね。
最近だと、しぐれういさんなどがそうでしょう。
イラストレーターですが、曲も出してYouTubeもやって・・・。
「自分のやりたいことを仕事にして、それが世間的にも評価される」
というのは、本来あるべき仕事の形のような気もしますね。
ブローカー
私の知人に、ブローカーのような仕事をしている人もいます。
この人は、パートでちょっとした仕事をしながら、メインの収入は色々なものを仲介して紹介料をもらっています。
例えば、就職先を斡旋したり、ビジネスマッチングをしたり。
色々な人脈を持っている人で、それらをつなげることで紹介料をもらうような仕事のようです。
元手は必要ありませんし、特別な技術もいりません。
実はこの人、少しコミュ障の気質があって、合う合わないがはっきりと分かれるものの、今では
「この人に聞けば、何かしら人を紹介してもらえる」
というポジションになっているので、それなりに報酬をもらえているようです。
正社員以外で働く場合に注意したいこと
世の中には、色々なビジネスがあるので、思っている以上に「正社員である必然性」は無くなっている様に思います。
ただ、「普通の人がこれらを目指す」という時には、いくつか注意が必要だと感じています。
私自身もフリーランスで失敗した立場なので、正社員以外の働き方を目指す人には知っておいて欲しいと思っています。
年齢・資格・スキル
私自身、今の会社で人事系の仕事も担当しています。
その中でどうしてもネックになるのが「年齢」です。
その人の人柄などは無視して、年齢で一旦足切りをする事が多々あります。
特に、「業界未経験」となると、どうしても年齢が高いと弾かざるを得ないのが実情です。
もちろん、口では「年齢よりもやる気」だったりするわけですが、現実は厳しかったりします。
特に、「正社員以外の生き方をしているところから正社員に戻る」というときには、何かしら特筆スべきことがなければ、正社員に戻ってくるというのが難しくなります。
私自身はプログラミングの実務経験があったからこそ今の会社に入れましたが、フリーランスになるときにはそういう事を気にもしませんでした。
「もしも正社員以外の生き方から戻って来る時が来たときのセーフティーネット」
を考えてみる必要があると実感しています。
複数の収入源
複数の収入源を作っておくことも、正社員以外の生き方には必須になります。
例えば、投資信託などの投資も1つですし、副業でいくつものビジネスをやるのも有りです。
私がWEBライターとしてフリーランスになっていたときに、
「後2社ほど大口のクライアントがいれば・・・」
と何度も考えました。
取引先自体も1つの収入源と考え、複数に分散させておくことが重要になるのです。
わかりやすい実績作り
これは、正社員以外で生きる上でも、正社員に戻ってくるときでも必要になりますが、
「仕事 = わかりやすい実績作り」
というのを意識しておくほうが良いです。
私自身ができなくて後悔したことの1つでもありますが、例えばWEBライターとして
「月に20万文字以上を書いています」
という実績が実際にあります。
しかし、
「20万文字書いて、実際にどのくらいの反響があったのか」
までクライアントから聞いていませんでした。
フリーランスをやめる直前くらいに聞いて、もっと早く聞いておけば、フリーランスとしての実績として次の仕事を取りやすかったかも・・・なんてことを考えました。
具体的にはWEBライターなら
・月◯PVのサイトを1人で育てた
・サイトからの問い合わせが◯件くるようになった
・◯円の商品がサイトから月いくつ売れるようになった
など、「どのようにクライアントのビジネスでお金を作ったか」に焦点を充てるとわかりやすい実績になります。
こういった実績があれば、次の仕事も取りやすくなりますし、仮に失敗して転職する際にも
「ウチの会社でこういうスキルを活かしてほしい」
という様に高い評価を受けやすい人材になることができます。
まとめ
今回は、「正社員じゃなきゃダメ」という意見について見てきました。
ウチの弟はフリーランス向きではないので、今のように正社員を目指して働くことが合っていたように思いますが、人によってやりたいことや目指したい方向性が違うので、
「自分にあった方法」
を探す必要があります。
正社員じゃなきゃダメだというのは、あくまでも古い一般論且つ
「多くの普通の人が楽に働ける道」
の代表格というだけです。
自分の特性を理解したうえで、もしも自分に合っていないと考えるのであれば、別の道を模索するのがおすすめです。
このサイトでは、副業や投資などを中心にお話しているので、1つの参考にしていただければと思います。