今、SNSでも
「静かな退職」
が話題になっていますね。
Youtubeでも、「お金の大学」の著者であるリベラルアーツ大学の両学長の動画でも紹介されていました。
今回は、この静かな退職について個人的な意見を書いていきたいと思います。
因みに、結論から言うと「個人的におすすめしません」。
ただ、人生の向き合い方は人それぞれ。
人によっては「人生の幸福度が上がる」という可能性もあるため、具体的なやり方も紹介していきます。
静かな退職とは
静かな退職は、アメリカで流行している働き方の考えのようで、「退職」という言葉が入っていますが、実際に職を辞めるわけではありません。
ざっくりと説明すると
「必要最低限しか仕事をしない」
という働き方のようです。
・指示された仕事だけをやる
・自分の仕事を仕組み化して極力働かない
・昇進は目指さない
・残業はしない
こういった考え方のようです。
日本でも、「働かないおじさん」や「社内ニート」という形で、
「就職しながらも仕事をしない」
事が理想だ・・・と考えている若い人も多いのではないでしょうか。
この働き方の新たな流行として、静かな退職という言葉が出てきたのです。
日本でも、ティックトックが先駆けとなっていることからもわかるように、どちらかというと若い世代に支持されている考え方と言えるでしょう。
なぜ静かな退職をしたいのか
では、なぜこの言葉が流行しているのか。その魅力を見ていきましょう。
時間を有効活用できる
まず、残業をしない/管理職にならないといった選択をすることで得られる恩恵としては
「自由な時間が増える」
ことです。
プライベートと仕事をきっちりと分ける事で、自分の時間が増えるのが最もわかりやすいメリットでしょう。
不用意なプレッシャーがなくなる
昇進すると、たしかにもらえる給料は増えます。
しかし、それ以上に仕事に対する責任や、これまで上司がやってくれていた面倒な仕事をする必要があります。
更に、部下の管理や数字の管理。
こういったプレッシャーがストレスに感じる人も多く、これが避けられるのも、静かな退職の大きなメリットでしょう。
楽に生きられる
プレッシャーと似たような意味合いになりますが、そもそも「仕事が中心」という価値観から脱却する事で、楽に生きられます。
考え方の根本としては
「休みの日を増やして、給料は少なくても良い」
というものになります。
最近、話題の著書として「年収90万円で東京ハッピーライフ」という本がありますが、これも同様に、少ない収入で余暇を楽しむ生き方です。
こういった仕事に縛られない「楽な生き方」が、多くの若者に受け入れられているのでしょう。
生きる意味を見つけられる
よく、「仕事を定年まで頑張っても、その後に残るものがない」なんて言われることがあります。
仕事ばかりをして、家庭を顧みず、子育てに参加しなかったサラリーマンは、定年退職後に
・人間関係がなくなる
・家に居場所がない
・やりたいことがない
といった状況に陥ります。
このような状況を避けることができる静かな退職は、大きなメリットがあると言えるでしょう。
効率的に副業が出来る
今の時代、副業が当たり前になっています。
会社の給料が安いことも大きな要因ですが、「本業よりも副業」という人は多いです。
そんな中で、静かな退職をすれば、極論
「本業中に副業を出来る」
と言えます。
ただし、最近の会社は資産管理ソフトを利用している所も多く、ネットで検索したもののログが残る事が多いので、実際には注意が必要です。
ですが、単に副業に関して思考したり、ちょっとしたアイデアをスマホでメモる等は、会社側も指摘のしようがありません。
そのため、副業に力を入れて、独立を考えたり、収入UPを考えたい人にとっては、静かな退職は非常に大きなメリットがあると言えます。
静かな退職のデメリット!個人的におすすめしない理由
次に、個人的に静かな退職のデメリットと感じる部分について触れたいと思います。
もしもの時に真っ先に切られる(今まで以上に雇用が不安定になる)
サラリーマンという働き方自体が、安定していないということは、コロナの一件で感じている人も多いのではないでしょうか。
どれだけ会社に尽くしていても、切られる時は切られる。
これを強く感じたからこそ、この静かな退職を希望する人も増えたのではないかと思います。
一方で、静かな退職をすれば、会社的には
「いない方が良い人材」
と認定されるリスクがあります。
日本は法律上、解雇をしにくいです。
企業側にも、それ相応の理由が無ければ、クビを切るのは難しいです。
ですが、もしも業績悪化に伴って、解雇の必要性が出た時に、会社としては「静かな退職」をしている人から順に切りたいですよね。
なぜなら、その人がいれば、周りにも悪い影響を与えますし、後述するように、スキルや知識をつけていない人も多いはずです。
そのため、これまで以上に雇用が不安定になると考えられます。
スキルが身につかない
消極的な働き方を続ければ、当然ですがそこで
・新しい技術を身に着けよう
・新しい知識をつけて上を目指そう
という気持ちはなくなります。
仕事以外の時間に資格勉強をするなんてもってのほかでしょう。
更に、消極的な働き方をする人に対して、上司は仕事を振りません。
「どうせあいつに任せても、最低限しかしない。その上、能力が高いわけでもない。なら、単純作業だけを振っておこう」
なんて思われてしまうのです。
単純作業や、誰でも出来る仕事が、普通に働いている人よりも回ってきやすい状況になってしまうのです。
そうなると、自分にスキルや知識がつかない。
これが非常に大きな問題と言えます。
働き方によっては将来の職をも失う
消極的な仕事でも、結果がわかるような仕事なら良いですが、前述したように上司としても、生産性の高い仕事やスキルアップに繋がる仕事は、モチベーションの高い社員にやらせたいものです。
そう考えた時に、単純作業だけを何年もやる事になりますが、これは将来の転職にも不利です。
私自身、7回ほど転職をしていますが、面接では基本的に
「今まで何をやってきたのか」
「どのような考えで仕事をしてきたのか」
は、嫌というほど聞かれます。
それを考えると、将来的に転職を考えた時に、今「静かな退職」をしてしまうと、面接に通りにくくなります。
つまり、将来の職を失う危険性があるということです。
そもそも仕事が楽しくなくなる
消極的な働き方は、そもそも仕事を楽しくなくさせる大きな要因だと考えています。
どんな仕事でもそうですが、前向きに捉えることで、楽しくなる場面は多いです。
例えば、積極的に仕事をすることで新しいアイデアが生まれます。
それが評価されれば、より一層仕事が楽しくなる。
こういったことは、どんな仕事でもあり得ます。
しかし、静かな退職では、これらの機会を失う危険性があり、
「仕事が楽しくない」→「消極的な働き方を目指す」→「より仕事が楽しくなくなる」
という悪い循環を生んでしまうのです。
では、どうすれば静かな退職をしなくても良くなるのか
なので、個人的には静かな退職はおすすめしません。
ですが、勘違いしないでほしいポイントがあります。
それは、
「だから、今のところでもっと働け」
というつもりはありません。
静かな退職が話題になる事の根本的な理由として
「働くことが楽しいと思えない」
「会社からの拘束感が強い」
「将来に希望が持てない」
「拘束時間が長い」
などがあると考えています。
もしも、多くのサラリーマンが「仕事が楽しい」と感じながら働いていた場合、こういった議論にすらならないでしょう。
将来に希望を持っている人が大半なら、もっと前向きな話が話題になる可能性が高いです。
これらを考えると、静かな退職が話題になるのも、仕方ないと感じられます。
では、どうすれば良いのか。
現状、個人的にオススメなのは
「副業」
です。
その理由は3つあります。
「働き方の概念」が変わるから
そもそもサラリーマンの収入は
「もらう金額が決まっている」
→
「やる仕事が決まる」
という順番です。
「やったらやった分の収入がもらえる」
という形式ではないため、
「もらった分だけ働く」
という考え方が出てくるのです。
言い換えれば、
「仕事をやってもやらなくても収入がもらえる」
ということです。
反対に、副業は「やったらやった分の収入がもらえる」仕事です。
(初期段階ではもらえないことも多いですが笑)
つまり、
「仕事→お金」
の順番です。
仕事のやり方を変えれば収入も変わるので、創意工夫をしたいという気持ちが出てきます。
この働き方の概念を変えることが重要です。
スキルや知識が増える
副業の多くは、「今まで経験したことのないもの」だと思います。
仮に本業を活かした副業だったとしても、自分で仕事を取ったり、経費精算をするなど、色々な経験をします。
これは、将来的な転職の可能性を拡げるだけではなく、本業でも前向きに仕事を捉えるきっかけになるのです。
好きな仕事への転職が可能になる
そして3つ目は、好きな仕事への転職が可能になる点です。
多くの人は給料や条件などを考慮して就職先を決めます。
なので、
「条件→仕事内容」
の順で決めるので、
「条件が悪い(給料が低い)がやってみたい仕事」
は、選択肢に入ってきません。
ですが、副業で月に5万円稼げるようになれば、月に5万円安い給料の仕事に就いても、生活水準は変わりません。
なんなら、好きな仕事なら成果が出るのも早い可能性もあり、昇給も期待できるでしょう。
このように、好きな仕事への転職が可能になるのも、副業の大きなメリットなのです。
静かな退職のやり方
さて、ここまでは「静かな退職反対派」としての意見を書いてきました。
ここからは、敢えて肯定派として、具体的なやり方について説明していきます。
社内規定の確認
まずは、社内規定をしっかりと確認する必要があります。
理由としては、社内規定を大きく逸脱した状態だと、
「それを理由に解雇される」
という危険性があるからです。
もちろん、日本の労働者は守られているので、ちょっとやそっとでは、クビには出来ません。
ですが、出来るだけ長い間、静かな退職をするのであれば、これらのルールはしっかりと把握しておく必要があります。
ユーザーサポートなどの複数人がいて、継続して仕事がある部署に異動
次に、自分の仕事内容の調整です。
静かな退職をするためには、
・色々な業務に回されない
・自分以外に働いてくれる人がいる
このような状況が理想的です。
そうなると、ユーザーサポートやヘルプデスク、運用監視業務などの部署に異動することが理想です。
特に、「継続して仕事がある部署」というのが重要です。
例えば、数ヶ月単位で色々な業務やプロジェクトに参画させられる様な部署では、毎回新しい事を勉強する必要があります。
そうなると、ゆっくりとする時間がなくなりますし、環境変化によるストレスも大きくなります。
そのため、上長に最適な部署への異動を希望するのが良いです。
サボらずに、頑張っても出来ないと見せる
次に、その業務で
「サボっていないけど、単に仕事が遅い」
という風に見せる必要があります。
サボっているのがバレれば、再度配置転換や注意を受ける可能性があります。
しかし、頑張っている姿勢を見せることで
「もう少し様子を見よう」
と思ってくれます。
そして、長期間かけて全体について知り、配置転換を防ぎます。
日本の労働者は法律で守られているので、頑張っているのにクビなんてことも無いわけです。
人に仕事を少しずつ振る
最終的に、自分の仕事の中で
・成果に繋がりやすい物
・誰でも出来る雑務
を分け、誰でも出来る雑務は、同じ部署の他の人に振ります。
特に、電話対応などは、実績として残らないケースも多いので、他の人に任せます。
この時に重要なのが、
「成果が出しやすいものは自分でやる」
ということ。
出世をする必要は無いですが、人事評価が悪くて給料が下がる・・・などは避けます。
「可もなく不可もない」
という人材である事を、会社に認識させることが重要なのです。
まとめ
今回は、静かな退職について見てきました。
改めて言いますが、個人的にはおすすめしません。
将来的なキャリアを考えると、損する可能性が高いです。
しかし、将来を考えて自分のためになると感じる人は、静かな退職を試してみても良いでしょう。
このサイトでは、副業や仕事に関して色々な記事をアップしています。
静かな退職で出来た時間を副業に充ててみても良いかも知れません。