以前書いた記事で
「会社にしがみつく」という行為の是非について書いてきました。
会社にしがみつく事自体には、メリットもデメリットも有り、どちらが良いのかは個人の考え方に依存するところが大きいと考えています。
しかし今回は、
「会社にしがみつきたいわけではなく、しがみつくしかない状況にある」
という人にフォーカスしたいと思います。
特に40代以降になると、転職も厳しいですし、いわゆる「就職氷河期世代」の話もよく聞きます。
そこで、今会社の人事の仕事もしている(求人を出すところから最終面接まで)私の意見を交えながら、どの様にキャリア形成をしていけばよいのかを考えたいと思います。
会社にしがみつくしかない人の特徴
まずは、どのような人が「会社にしがみつくしかない」という状況なのでしょうか。
これは、「転職などを考えたことが無い」という人も含めると相当の人数がいると思います。
年齢が高い
1つ目の特徴は「年齢が高い」ということ。
人事の仕事をしていて思うのは、
「年齢が高い = リスクが高い」
ということ。
年齢が高い人ほど、これまでの経験からプライドが高くなることが多い。
どうしても年下の上司には従えないなど、トラブルになることもあります。
私の会社は、派遣会社の社員も使ったりしますが、そういうときにも、年齢が高い人ほど扱い難い事が多いです。
(もちろん、そういう人ばかりではないのは前提の上で)
なので、面接でも年齢が高い時には、若い人と比べて面接のハードルが上がります。
同じ考え方をしていても
「40代で、まだこんな考え方をしているのか」
「考えは幼稚だけど、20代なら指導すれば大丈夫か」
となるので、年齢は非常に大切。
今更変えられない部分も多いので、企業側が警戒してしまうのも仕方ないでしょう。
後は単純に入社してから定年までの年数が短くなるので、そのあたりがネックになる可能性が高いです。
他社で使えるスキルや知識が無い
2つ目の特徴は、他社で使えるスキルや知識がない人です。
何年も同じ職場にいれば、できることは増えてきます。
一方で、その知識や経験は
「あくまでも今の会社だから使えるもの」
というパターンも少なく有りません。
例えば、会社で独自に開発しているソフトの入力がたとえ早くても、他社で使われていないので直接役に立つことは有りません。
一方で、そのソフトの根幹となる考え方や仕組み・業界の理解までしていれば、同業種であれば役に立つ可能性はあります。
普段の仕事の捉え方や勉強の仕方に大きく影響してくる部分ですが、
「目の前の仕事にいっぱいいっぱい」
という人ほど、会社にしがみつくしかない可能性が高いです。
他の収入源が無い
副業などで収入を作った経験がない人は
「自分の力で稼ぐ」
という事ができません。
そうなると、どうしても今の会社の給料に依存しがちになります。
大した実績が無い
転職するにしても、年齢が上がるほどに
「その会社でどのような実績を出したのか」
が求められる様になります。
特に数字で表せられるような実績がない場合には、専門性の高いスキルが必要になることも有り、どちらもない人は会社にしがみつくしかなくなってきます。
コミュ障
コミュニケーション能力が低いと、どうしても面接が通りません。
転職するにしても、自分で仕事をするにしてもコミュニケーションが不要な仕事は有りません。
旧知の仲の人から仕事をもらう以外のパターンだと、初対面の人に好印象を持たれなければ、転職も難しくなります。
そのため、こういう人は若い間に就職をした上で、今いる会社で実績を出したり、難関資格を取るなどしなければ転職なども難しく
「会社にしがみつくしかない」
という状況に陥りやすいです。
会社にしがみつくしかない人のリスク
こういった会社にしがみつくしかない人は、いくつかの大きなリスクを持っていると言えます。
常に将来が不安
誰しも将来に不安を持っているものだと思います。
特に不景気が続く日本では、将来の不安を持っていない人の方が少ないでしょう。
しかし、会社にしがみつくしかないような人は、
「今の会社が潰れたら、行く宛がない」
という事をなんとなく理解しています。
そのため、普通の人よりも更に将来に対する不安を強く感じている可能性が高いです。
今の会社での給料が上がりにくい
会社にしがみつくしかないというのは、会社側から見てもわかるものです。
むしろ、自分では気付かないような点も、人事評価や人員配置を考える上司から見ると
「この人はウチの会社でしかやっていけないな」
という風に見られていたりします。
そうなると、会社としての優先度が低くなります。
ウチの会社でしかやっていけない人は、何もしなくても辞めませんが、能力のある人はそうでは有りません。
しっかりと給料を上げて、少しでも待遇を良くしないと転職してしまう可能性があるからです。
その人が仕事に何を求めているかにもよりますが、会社として優先度が低くなったあなたの給料が上がったり、昇進したり・・・ということは難しくなるでしょう。
会社が倒産した場合に給料が下がる
次に、会社が倒産した場合や人員整理をする際。
否応なしに転職が必要になったときに
「他社で活かせるスキルや能力が無い」
というのは、大きなマイナスになります。
転職の際に提示される給料は、今の会社よりも低くなる可能性が高いのです。
実際、転職者の3分の1は給料が変わらず、3分の1は給料が下がります。
転職が当たり前になってきた今の時代でも、「転職して給料を維持する」というのは相応に難しいことなのです。
そもそもこういうデータは、「積極的に転職をして待遇を改善しよう」と考える人が多いのが実情でしょう。
それを考えると、会社にしがみつくしかないタイプの人はそもそも転職市場のデータに入ってこない可能性があります。
そうなると、このデータよりも悪い状態になる事が考えられます。
そのため、会社にしがみつくしかないタイプの人は、給料が下がる可能性が非常に高いです。
自分の意見の主張が難しい
会社にしがみつくしかない人の共通点として
「あまり自己主張をして、目をつけられると困る」
という考えになります。
これは私自身もそうでしたが、副業をしていく中で
「いつ会社を辞めても生きていける」
という感覚になってきました。
そうなると、本業でも自由に発言ができる様になりました。
反対に、会社を辞めさせられると困ると考えていた時代には、波風を立てないように意見を押し殺したり、言われるがままに行動するような事が多々ありました。
この様に、長い時間やっている本業で、自分の意見の主張が難しくなるというのは、かなりのリスクと考えられます。
ストレスが多い
前述の、「意見が言えない」こともそうですが、会社にしがみつくしかないタイプは仕事でストレスを受ける量が多くなります。
例えば、上司から怒られたときにも、いつ会社を辞めても大丈夫な人は受け流すことが容易です。
なぜなら、会社を辞めて困るのは向こうで、こっちは特に問題ないからです。
反対に、会社にしがみつくしかない人は、真摯に受け止める必要性が出てきます。
こういった日々のストレスは、思った以上に蓄積される可能性があります。
会社にしがみつくしかない人は今後どうすればよいのか
では、こういった「会社にしがみつくしかない人」というのは、今後どの様に行動していけば良いのでしょうか。
個人的には、「副業」もしくは「投資」で複数の収入源を作る事が1番だと思っています。
副業は転職とは違って、年齢に関係なくスタートすることができます。
実際、私が依頼していたライターや教えていたライターの中には、60代の人もいました。
特に副業に関しては
・自分で仕事を取るという難しさ
・会社の看板に今まで知らず知らずの内に頼っていた
・お金を自分で作るという概念
などが学べます。
結果として、前述のように意見が言いやすくなると共に、会社員としての意識から個人事業主としての意識に変わってきます。
例えば会社の売上や利益率。
副業をやっているとこういった事を意識していくことになりますが、会社員は意識していない人が多いです。
自分が暇を持て余しているときに、将来的に会社の利益を上げるためにやっておく方が良いことに意識が向いたり、作業効率を高めるためにシステム化をしたり。
こういった意識を持っている人は、自然と昇給や出世もします。
そうなると、管理職としての経験が積める・・・など。
良いループに入ることが多いです。
実際、私も副業をしていなければ平社員のままだったと思いますが、今ではしっかり管理職として色々な仕事を任される様になりました。
また、ライターとして文章を書き続けてきた結果もあり、今は求人のための原稿づくりなどをやっています。
どこでどのようなスキルが活かされるかはわからないものの、副業を経験するとこの様に多角的なメリットがあります。
ちなみに、私はWEBライターを勧めていますが、どのような仕事でも
「集客の視点」
「文章を書く」
という機会はあります。
ちょっとしたメール文章を作る時間が短くなるということから、直接会社のマーケティングなどの売上に貢献するなど。
様々なメリットがあるので、副業の中でも1番におすすめしています。
まとめ
今回は、会社にしがみつくしかない人について考えてきました。
特に40代以降は転職が難しいと言われ、その段階で専門的なスキルや知識がない人は、しっかりと戦略を立てて動く必要性があります。
副業はその中でも、最も有力な選択肢であり、転職・独立・今の会社に留まるなど、どのような選択肢にも対応できる万能な選択肢だと考えています。
このサイトでも、1からWEBライターをやっていくための情報をまとめていますので、是非参考にしてみてください。