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生活防衛資金とは?いくらが妥当?100万?200万?一人暮らしと夫婦で違うのか?

生活防衛資金とは?いくらが妥当?100万?200万?一人暮らしと夫婦で違うのか?

投資を始めたいけど、先に貯金だよね?
じゃあ、いくら貯まったら初めて良いの?

こういう人は多いのではないでしょうか?

ネット上では、「生活防衛資金」と言われ、それがなければ投資をするには早いと言われることが多いです。

では、この生活防衛資金とは一体いくらが適正なのか。

そもそも、本当にそれだけ貯めないと投資をスタートしてはいけないのか。

今回は、気になる生活防衛資金について私なりにまとめていきたいと思います。

私自身、投資はすでに10年以上やっています。

失敗も色々経験してきましたが、その中で常に「生活防衛資金」の重要性は感じてきました。

そんな私自身の失敗談も含めてお話しましょう。

生活防衛資金とは

まず始めに、生活防衛資金についてあまり知らない人のために、この言葉の意味から説明していきましょう。

生活防衛資金とは、
「急に生活が変化したときのために、保管しておくべき資金」
のことです。

例えば、投資の中には
「現金化するのに時間がかかるもの」
が多いです。

投資信託でも、約定までにかかる時間と自分の銀行口座に振り込まれるまでの時間がかかります。

不動産投資の場合には、物件そのものを購入してくれる人が見つかるまでに、長い時間がかかります。

このタイミングで、急にお金が必要になったときに使えない。

これを、「資産の流動性」などと言ったりしますが、現金としてしかお金を使えない現在の社会では、
「すぐに使える現金も残しておく」
ということが必要になるのです。

この金額を、生活防衛資金と呼び
「まずは現金で貯金をしてから、それ以外のお金で投資をしましょう」
という考え方が現在のスタンダードなのです。

なぜ生活防衛資金が必要なのか。私の失敗談

さて、では生活防衛資金がなかったり、足りなかった場合には、どのようなことが起きるのでしょうか?

ここでは、私自身の失敗談をお話していきます。

いつもお金のことが気になる生活

1つ目は、「いつもお金のことが気になる生活」になってしまう点。

私は、当時1ヶ月分の生活費ギリギリ以外は、全て投資に回していました。

タイミングによっては、この生活費を下回る金額しか口座に無いことも多かったです。

当時の私の生活費は20万円/月程度。

口座残高は15万円。残りは全て投資。

というような具合でした。

そうなると、常にお金のことが気になります。

なぜなら、投資に少しでも失敗すれば生活費が足りなくなるのです。

「投資は余剰資金で」

と言われることくらい、当時の私も知っていました。

しかし、それが出来ない。

投資がギャンブル依存症のような状態になってしまうと、生活費以下になっても投資を優先してしまうのです。

もちろん、今はそんな事ありませんが、当時の私はそれくらい投資で増やすことばかりを考えていました。
(結局マイナスで市場を一度退場していますが笑)

一番売りたくないときに売買が必要になる

次に、売買のタイミングの自由度が無くなることです。

生活防衛資金が足りない場合
「本当はもっと先で売りたいのに、お金がないから今日売る必要がある」
という状況になります。

私で言うと、当時
貯金:40万円
投資:80万円

というような資産配分でした。

このときは、生活費20万円でしたので、2ヶ月分の生活防衛資金があることになります。

当時であれば、口座に10万円程度入っていれば安心感を持てるくらいに、メンタルが強かったです。

そんな私も、急に仕事を辞めることになりました。

しかも仕事を辞めてからの就職活動。

就職活動は難航して、1ヶ月経っても決まりませんでした。

給料は一ヶ月遅れて入ってくるので、ギリギリ3ヶ月は生活できる計算でしたが、1ヶ月仕事が決まらないと、段々と不安が増していきます。

このタイミングで、私は当時投資をやっていた80万円の内、20万円を現金化しました。

しかし、そのタイミングで相場は良くなくて、損失を確定する結果になりました。

このように、売買のタイミングを生活に左右されて自由にできなくなるのが、生活防衛資金が少ないときに起こり得ることです。

例えばこれが、新NISAなどの非課税制度だった場合。
「非課税枠が無駄になる」
という可能性があります。

将来に得られるはずの利益も手放してしまう可能性があるので、かなり損な計算になります。

場合によっては借金も!?

生活防衛資金が少ない場合には、借金をしてしまう可能性もあります。

嘘みたいな話ですが、過去の私の経験としては
「相場が乱高下するような投資」
の場合には、借金をする可能性もあると考えています。

当時の私は仮想通貨をしていました。

仮想通貨は、金額の増減が激しく、場合によっては1日で20%くらい資金が動くことがありました。

そんな状態なので、生活費が足りなかったときに
「今投資を止めるくらいなら、リボ払いなどで生活費を凌いで、投資を優先する」
ということをしてしまいました。

リボ払いで数万円分を支払ったとしても、年間の利率は18%程度なので、1万円にも満たない。

なら、それ以上に投資で利益を出せばいいじゃないか。

そう考えていました。(かなりリスキーですよね笑)

ご多分に漏れず、その後仮想通貨で失敗。

手元には元本30万円が5万円になってしまった現金と、10万円程度のリボ払いが残っていました。

この様に、生活防衛資金と投資への没頭具合によっては、投資しながら同時に借金をしてしまう・・・なんてこともあり得るのです。

その後私は、残ったリボ払いを少しずつ返済しながら、結局
・投資での失敗
・リボ払いの利息
で、かなりの損失を出してしまったのです。

生活防衛資金の考え方!いくらが妥当?

さて、この生活防衛資金ですが、多くの人が気になるのが
「私はいくらの生活防衛資金があれば投資を始めても良いのか」
ということです。

生活防衛資金は、人によって違う。

これは、なんとなく理解している人も多いと思いますが、それに影響してくる項目を挙げていきましょう。

基本的な考え方としては
「何ヶ月無収入で生活できるのか」
ということから考えていきます。

生活費

まずは、生活費。

同じ100万円でも、月の生活費が10万円の人なら10ヶ月生活できますが、生活費が20万円の人だと5ヶ月しか生活できません。

この生活費が生活防衛資金を算出する上で重要になりますので、まずは生活費を計算してみましょう。

残金に対する許容度

次に、残金に対する許容度です。

前述の失敗談で、私自身は10万円程度口座にあれば安心できるという話をしました。

この「いくらあれば安心できるか」が重要です。

人によっては、100万円以上無いと安心できないと感じる人もいれば、10万円でも安心できる人もいます。

この許容度は、「毎月働いていて、毎月の収支がトントンの場合」で考えてみるのが良いです。

この金額が小さい人ほど、生活防衛資金は低く、金額が大きい人ほど生活防衛資金を多めに用意しておく必要があります。

この金額は、常に一定のものではないので、定期的に見直してみるのがおすすめです。

家族構成と働き方

家族構成によっても、どのくらいの生活防衛資金が必要かが変わってきます。

例えば、一人暮らしの場合は、家賃が安くて済みますし、暮らす場所は自分さえ良ければ何でも良いです。

職場まで遠いけど、家賃が激安のところを選ぶ・・・などの選択が出来ます。

一方で、夫婦で暮らしている場合だと、お互いの価値観が違えば、その間を取ることが一般的です。

そうなると、互いの職場からある程度の距離を・・・と考えれば、家賃が大幅に下げられない可能性もあるでしょう。

他にも、片働きと共働きでも変わってきます。

後述しますが、片働きよりも共働きの方が、生活防衛資金が少なくても大丈夫です。

転職の難易度

次に、転職の難易度によっても変わります。

最も生活防衛資金の取り崩しが必要になるタイミングというのは
・仕事が無くなる
・怪我や病気になる
ということでしょう。

この内、仕事がなくなったときのことを考えてみましょう。

会社が倒産するなど、会社からの給料がなくなったときに、
「1ヶ月以内に転職に成功する」
という場合、1ヶ月分の生活費があれば、ギリギリ生活することが出来ます。

しかし、
「3ヶ月転職にかかる」
という場合、3ヶ月分の生活費がなければ生活防衛資金が足りません。

ということは、
・今の職種が転職しやすいか
・住んでいる場所的に、仕事が豊富にあるか
・自分がどの職場でも対応できるだけの環境適応能力があるか
・面接に受かりやすい資格やコミュ力があるか

などによって、必要な防衛資金が変わってきます。

もちろん、市場が売り手市場か買い手市場かによっても変わるので、一概には言えませんが、これらの転職のしやすさも影響は大きいです。

今後の人生のライフイベント

次に、今後の人生のライフイベントから考えることも重要です。

例えば、子供がいる場合。

子どもの受験や趣味や習い事など、かかる費用がある程度予想できます。

加えて、親の年齢を考えたときに介護や医療費などでお金がかかる場合も計算できます。

これらのことを考えて、お金がかかるイベントが多い人ほど、生活防衛資金も高くなります。

一般的にライフイベントには次のようなものがあります。
・大学進学
・就職
・車の購入
・新しい家の購入
・結婚式
・子供の誕生
・子供の教育費用
・住宅ローンの返済
・健康保険料の支払い
・転職に伴う費用
・海外旅行
・ペットの飼育費用
・長期間の病気や医療費用
・老後の資産形成
・住宅のリフォーム
・親の介護費用
・子供の進学費用
・バケーションや休暇の費用
・車の修理費用
・緊急時の医療費用
・保険料の支払い
・車の保険料
・子供の結婚式
・税金の支払い
・クレジットカードの返済
・レジャーや趣味にかかる費用
・電化製品や家電の購入
・ハウスキーピングや家事代行の利用

副業の有無

副業をしているか否かも、生活防衛資金に大きく影響を及ぼします。

例えば、
本業:月20万円
生活費:月20万円
副業:月10万円

という状況だった場合。

単に副業分、お金が貯めやすいことだけを意味しているのではなく、
「仮に仕事がなくなっても、月に10万円は稼げる」
ということを意味しています。

そうなると足りない生活費は10万円ですから、生活防衛資金から減るお金は、月に10万円になります。

ということは、100万円の貯金があれば、10ヶ月生活することが出来るわけですし、10ヶ月以内に仕事が見つかれば問題ないことになります。

この様に、副業で本業以外の収入を得ることで、生活防衛資金が少なくても大丈夫な体制を作ることが出来ます。

更に言うなら、このサイトで紹介している様な、WEBライターなどのような働き方の場合、
「時間と場所を問わない」
というメリットもあります。

この場合、入院してても仕事ができる可能性があります。

他にも、ブログやYOUTUBEなどの場合は、過去に投稿した記事や動画が稼いでくれる可能性があるので、収入源になる可能性があります。

働かなくてもい良い収入源や、病気や怪我でも働ける仕事を選ぶことも、生活防衛資金を少なくするための1つの方法なのです。

こういうパターンは投資と生活防衛資金を並行しても良い?

さて、生活防衛資金の考え方がわかったことかと思いますが、ここで問題になるのが
「生活防衛資金が貯まらないと投資は始めてはいけないのか」
という問題です。

ここでは、この問題に対して
「このパターンだと、生活防衛資金を貯めることと、投資を並行しても良い」
と思えるパターンを紹介します。

投資を考えている人は、投資の原則として
「できるだけ長い時間をかけるほうが、リスクが少なく成功率が高い」
ということを知っています。

そのため、早く投資を始めたいと考える人も多いです。

そんな人でも、失敗しないための方法をまとめていきます。

安定した雇用があり、普段の生活費は黒字

まずは、きちんと安定した雇用があって、普段の生活費が黒字の家庭。

この場合、急に雇用が無くなる以外は、リスクは低いです。

更に言うと、健康な人であれば更に病気のリスクも低くなります。

こういった状態では、よほどのことが無い限りは、安定した生活が送れると考えられます。

また、毎月の生活費が黒字なので、それなりに節約も出来ていると考えられます。

この場合、
「生活防衛資金が貯まってから投資」
ではなく
「生活防衛資金も貯めながら投資」
ということが可能でしょう。

個人的な比率としては、
貯金3:投資7
くらいでも大丈夫だと思っています。

例えば、
生活費:20万
収入:25万

の場合、余裕資金の5万円の内2万円を生活防衛資金に、3万円を投資に回すようなイメージです。

徐々に生活防衛資金を貯めながらも、多少の投資をしていく。

これが可能になります。

また、ボーナスがある場合には、
「ボーナスは生活防衛資金に回す」
なども良いでしょう。

副業で安定して収入がある

次に、副業で安定して収入を得られているパターン。

前述の様に、
「副業で月に10万円が安定して入ってくる」
という状況を作れれば、生活防衛資金が少なくても投資をスタートできます。

例えば
生活費:20万円
本業:20万円
副業:10万円

という状況だった場合、副業の10万円の内、半分を生活防衛資金に、半分を投資に回すなどが可能でしょう。

二馬力で稼げる共働き

夫婦共働き家計も、生活防衛資金が貯まっていない状況でも投資をスタートしやすい典型例でしょう。

どちらかが働けなくなっても、もう一方が稼げる。

二人共が同時に稼げなくなるというのは、交通事故などを除けば考えにくいです。

加えて、そもそもの収入がかなり高いことが考えられるので、ある程度節約できている家庭なら投資をスタートできるでしょう。

最悪実家に帰れる

基本的に生活防衛資金というのは、
「生活が成り立つか」
が重要になります。

ということは、お金が無くても生活できる環境があれば、そもそも必要ないとも考えられます。

そこで、実家に帰るという選択肢があるか否かが大きなポイントとなります。

実家に帰って、生活費として5万円を家に入れる。

これだけなら、30万円あれば半年生活できます。

家賃と食費という大きな出費がある一人暮らしを捨て、実家に帰れる。

これも、投資を早くスタートできる方法です。

まとめ

今回は、生活防衛資金についての話でした。

生活防衛資金は、投資をスタートするときに大切な考え方なので、今ピンときていない人は、是非何度も読み返して欲しい概念です。

また、本文中にもお話しましたが、
「副業収入があるか否か」
も、非常に重要です。

副業収入が安定していれば、それだけ投資に回す資金も確保できますし、何よりリスク回避が容易になります。

このサイトでは、この副業に関しても色々な情報を発信しているので、是非他の記事も参考にしてみてください。

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WEBライターこはく
WEBライターとして10年以上に渡って活動。 副業としての最高月収は40万円/月(執筆のみの収益) 『難しい話をわかりやすく』 をモットーに、毎月数十万字の執筆を行う。 note:noteアカウントへ twitter:Twitterアカウントへ