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何もしないと超危険!4つの収入の崖+4つの危険因子とその対策

何もしないと超危険!4つの収入の崖+4つの危険因子とその対策

あなたは、将来的な収入について、不安を感じていますか?

もしかしたら、今の収入や将来の収入に不安を感じて副業を検討しているかもしれませんし、既にスタートしているかもしれません。

人生は、長期戦です。

たとえ、直近の収入が高かったとしても、将来一気に収入が減る可能性があれば、多くの人は不安を感じるはずです。

そんな長期的な収入を考える上で知っておきたいのが、「収入の崖」というもの。

これは、多くのサラリーマンが直面する問題であり、これを知らずにサラリーマンを続ける事は、非常にリスクが高いと言えます。

そのため、今回はこの収入の崖がどう言うものかを説明します。

また、収入の崖に直面した際にどの様に対応していくべきなのか。

その辺りもお話しできればと思います。

因みに、今回の話はサラリーマンに偏ったお話になります。

収入の崖とは?

収入の崖とは、その名前の通り
「収入が崖から落ちるように一気に減るタイミング」
の事です。

「サラリーマンなのに、急に収入が減るなんてありえない」

と思いますか?

確かに、サラリーマンは収入が安定している事の代表格とも言えます。

ですが、そんなサラリーマンも生涯安泰ということはありません。

様々な理由から、年収が急激に下がってしまう可能性があります。

まずは、その現象を知り、対策を取っていくことが重要です。

対策しないとどうなるか

この収入の崖の怖い所は、
「収入に合わせて、多くの人は支出も上がっている」
という点です。

パーキンソンの法則とも言われ、年収が上がっても、それにともなって支出も収入の限度額まで上がってしまうというもの。

あなたは、
「毎月無駄遣いしていないはずなのに、どうして貯金できないんだろう」
と考えていませんか?

その大きな理由が、このパーキンソンの法則で説明できるのです。

そして、一度上げた生活水準は、簡単に下げることが出来ない。

だからこそ、収入の崖が来た時に、収入は下がるのに、生活費が高い状況に陥ってしまうのです。

もしも対策をしておかなかった場合、老後破産や生活保護になる可能性があります。

4つの収入の崖

では、具体的に4つの収入の崖について見ていきます。

多くのサラリーマンが通る道であると考えられます。

役職定年(55歳)

まずはじめに来るのが、役職定年です。

今後あなたが昇進して役職に付く場合、
「役職手当」
が入ってきます。

その金額は企業の規模や業績によっても変わるので、一概には言えませんが
・部長:7万円~9万円
・課長:5万円~6万円
・係長:1万円~3万円
・主任:5千円~1万円

が相場でしょう。

因みに私の会社では、係長でも4万円ほどもらっているので、参考程度にして下さい。

一般的には役職定年は55歳から57歳に設定している企業が多いようです。

その結果、54歳で部長の人は次の年から7万円以上の収入が減る可能性もあります。

これは、月収での話なので、年収換算すると100万円弱の年収が減ることになるので、かなり大きな金額ですよね。

ここに、ボーナスを考慮すると、減少する年収は200万円以上という人もいるかも知れません。

因みに、一般的にはこの役職定年での収入源は2割ほどであると言われています。

定年後の再雇用(60歳)

次に、定年後の再雇用について。

多くの企業では60歳になると、これまでと契約内容(契約条件)を変えて「嘱託」として再雇用されるケースが多いです。

落差としては、かなり大きなもので、嘱託の場合、前項の役職定年と比べて
「基本給など」
も、再契約で変わってしまいます。

少し古いデータですが、2008(平成20)年が最新結果となっている「高年齢者雇用実態調査結果」を参照すると、賃金の差は次のようになります。

【定年のタイミングと、再雇用時の収入を比較した結果】

多い (0.1%)
同程度 (21.7%)
8〜9割程度 (23.6%)
6〜7割程度 (34.8%)
4〜5割程度 (16.1%)
3割程度以下 (2.5%)
不明 (1.0%)

同程度が2割ほどいますが、それ以外の人は給料が下がっています。

3割程度までカットされている企業も2.5%いる事に驚きますね。

ボリュームゾーンでも、3割以上の収入が減っているので、定年役職よりも大きなインパクトがありますね。

年金生活(65歳)

次に、年金生活です。

年金は現在65歳から受け取ることが出来ますが、このタイミングも、非常に大きな収入が減るタイミングですね。

厚生労働省が発表する
「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
によると、年金の平均受給額は、

・国民年金:約5.6万円
・厚生年金(+国民年金):約14.6万円

ということです。

サラリーマンの場合には、この両方に加入していることになりますから、合計で15万円程度が平均的な年金の額になります。

とは言え、人によりこれらの状況は異なり、例えば一時期フリーランスや起業をして、厚生年金を払っていない時期がある人や、支払い漏れがある人は、それに応じた減額があります。

また、厚生年金は現役時代の平均年収によってその受給金額が変わりますから、現役時代にあまり収入が高くなかった人は、それほど多くもらえないかも知れません。

配偶者との死別による年金減額

次に、配偶者との死別による年金の減額です。

哀しいことですが、人は誰しも死にます。

その際に、年金は減ってしまいます。

遺族年金という制度もありますが、一般的な
「夫サラリーマン、妻パート」
のような家計では、

夫の年金:約15万円(国民年金5万円、厚生年金10万円の計算)
妻の年金:約5万円

という状態から、夫が死別し、
妻の年金:約5万円
夫の遺族年金:約7.5万円(厚生年金10万円×3/4)

となり、合計12.5万円ほどになるのが例です。

つまり、2人で20万円から1人で12.5万円になる事になり、仮にこの段階で賃貸物件の場合には、家賃の負担が急増することになりますね。

更に準備しておきたい4つの危険因子

更に、前述した4つの収入の崖以外にも、収入が下がる危険因子があります。

50代から仕事の能率が下がる可能性

1つ目は、50代からは仕事の能率がガクッと下がってしまう事。

多くの会社では、年齢が上がり、管理職になるに連れて現場でのスピード感などは求められなくなるかも知れません。

場合によっては、部下に仕事を振ることと、会議に出席することがメインの仕事になる事もあるでしょう。

一方で、若い管理職と比較されて、仕事の能率が評価されてしまうと、給料が下がる可能性が出てきます。
(場合によっては、降格も有りえます)

リストラや倒産且つ転職が難しくなる35歳

次に、転職。

一般的には35歳以上の転職には、大きなリスクが生じるとされています。

この段階までに、大きな実績や資格・スキルを得られていれば良いかも知れませんが、少なくとも
「未経験の業界への転職」
などは、一気に難しくなるのではないでしょうか。

そんな中で、会社が倒産したり、リストラされてしまった場合には、強制的に転職が必要になります。

つまり、この転職が難しくなる35歳も収入の崖になる可能性のある危険因子と考えられます。

名前だけの管理職手当て

次に、名前だけの管理職手当がある会社。

管理職手当に関しては、相場を前述しましたが、この管理職手当が極端に低い会社というのも存在します。

実際、私が前にいた会社も、課長クラスでも5000円程度の手当しかありませんでした。

こういった管理職手当が用意される理由の一つが
「代わりに残業代を支払わなくて良い」
という事が挙げられます。
(本当はダメみたいですけど、殆どの会社は勘違いしています)

管理職になると、管理職手当がつく代わりに残業代がつかなくなる。

これが、残業代が給料の中で大きな割合を占めている人からすると、実質的な収入の減額といえます。

中には、ブラック企業やグレー企業では、残業代カットの口実に、
「部下のいない役職」
を作る会社まであるのです。

この場合、年齢に関係なく起きる可能性がありますので、より早急な準備が必要と考えられます。

怪我や病気による長期休業

次に、サラリーマンの場合には、怪我や病気による長期休業のリスクがあります。

会社によりますが、長期的な休業の場合
「減給」
「リストラ」
などの対応をする所もあります。

有給休暇がある内は良いですが、それ以上に長引く傷病になった場合、一気に収入が減ります。

予期せぬタイミングで起こる可能性があるため、常に準備をしておくべきなのです。

収入の崖シミュレーション

では、具体的にどのくらい収入が減るのかを、シミュレーションしていきましょう。

仮に、次の様な人でシミュレーションします。

役職:部長
54歳の時の月収:40万円(内8万円が役職手当)
ボーナス:月収の2ヶ月分 × 2回(夏冬)
妻:有り(同い年)、パート(月5万円)
子供:無し
持ち家:無し
家賃:12万円(2LDK)
車:無し

【年金(夫)】
老齢厚生年金:10万円/月
老齢基礎年金:5万円/月

【年金(妻)】
老齢基礎年金:5万円/月

役職定年前の年収は640万(プラス妻のパート)

上記の条件で、役職定年を迎える前は、夫の年収は640万円です。

更に、妻のパートが5万円/月なので、年収で60万円。

世帯年収は700万円になります。

平均的な収入と比較しても、かなり余裕のある生活が出来ると考えることが出来ます。

税金や家賃を引いても、生活費は15~20万円程度使えるので、ある程度の貯金が出来、ボーナスで旅行なども楽しめるでしょう。

役職定年後(55歳~60歳)

最初の収入の崖である役職定年で、月収40万円の内、8万円の役職手当を失います。

ボーナスは、役職手当を含めた給料の4ヶ月分/年だったため、
月収:32万円
年収:512万円(32万円×16ヶ月)

になります。

妻のパートの稼ぎは変わらず、年収60万円のため、この期間の年収は572万円です。

54歳と55歳の1年で、128万円ほどの収入が減ってしまいました。
(月にならすと10万以上!)

家賃が同じ12万円の所に住んでいると、家賃を除く生活費は13万円前後になるでしょう。

まだ、少し余裕のある生活と言えますが、段々と外食の回数などは制限されていくかも知れませんね。

定年後再雇用期間(60歳~65歳)

そして、60歳を迎えて定年後に嘱託として再雇用されました。

月収の減額をボリュームゾーンである3割減で計算すると

月収:22.4万円
年収:約358円(22.4万円×16ヶ月)

年収が一気に300万円台まで下がりました。

妻のパートは継続し、世帯年収は418万円。

59歳と60歳で、154万円の収入ダウンです。

家賃が12万のままだと、月の生活費は10万以内に抑える必要がある上、徐々に医療費などが上がってきて、生活を圧迫してくるでしょう。

年金生活(65歳~)

そして、嘱託での勤務も終わり、年金生活に入ります。

そうなると年金での収入は、前述の通り

月収:20万円
年収:240万円

仮に妻がパートを継続してくれていたとして、年収は300万円です。

嘱託期間よりも、更に100万円以上の収入ダウンです。

流石に家賃12万円の所に住むのは難しく、安い賃貸に引っ越す必要性が出てきますね。
(今回は、テーマではないので、歳を重ねると引っ越しが困難になる問題に関しては触れません)

死別(夫が先に亡くなる)

そして、75歳で夫が亡くなったことを想定すると、妻の年金は

月収:12.5万円
年収:150万円

月に12万円で生活する事は、簡単では無いです。

特に高齢になってくると、医療費や交通費(徒歩や自転車が困難になるため)などにもお金がかかります。

そのため、質素倹約をしていく必要があります。

暗い老後。そうならないために

さて、ここまでシミュレーションをしてきましたが、かなり暗いシミュレーションになってしまいましたね。

今回は貯金や投資を考慮せずに考えましたが、貯金を取り崩しながらの老後なども、かなりストレスになるかも知れません。

そうならないための準備について触れておきましょう。

まずは自分の会社の制度について知る

最も重要なことは、今回の収入の崖に関して
「リアルな情報を知る」
事が重要です。

例えば、定年役職の年齢や嘱託として再雇用されるときの給料。

これらは、業績にも影響されるかと思いますが、少なくとも何かしらの情報は、会社の規定に記載されているでしょう。

また、既に嘱託社員がいる会社なら、聞いてみるのも良いでしょう。

他にも、退職金制度や企業型確定拠出年金なども確認し、前述した一般的なシミュレーションではなく、
「自分ならどのくらいになるのか」
のリアルな数字を出してみると良いです。

ライフプランニング

次に、ライフプランニングが必要です。

先程の例では、月に12万円の賃貸に住み続けました。

しかし、リモートワークも普及してきている現在、ある程度の年齢になってから、地方の家賃の安い家に引っ越すのも有りでしょう。

2LDKで12万円は、ある程度都会を想定しています。
(東京・大阪・名古屋等)

なので、自分の会社の仕事内容や状況などに合わせて、ライフプランニングを考える必要があります。

キャリアの選択肢を増やす

次に、ある程度の金銭的なプランニングをしたあとは、
「キャリアの選択肢を増やす」
事が重要です。

これは、副業で稼げる様になるのでも良いですし、転職がしやすい資格を取得するのも良いです。

危険因子でお話したように、35歳からは転職が難しいと言われていますから、それ以降の働き方に関しては、真剣に考える必要があるでしょう。

貯金や投資は必須

これは、生活費がある程度かかる前提ですが、貯金や投資はやっておくべきでしょう。

特に投資は、長い時間をかければ勝率が高いです。

投資で月に数万円でも入る形を作れれば、安心した老後を過ごせる人も増えるでしょう。

繰り下げ受給などの選択肢を検討する

次に、今あるカードでいかに生活をしていくのかを考えます。

例えば、既にあなたが60代、70代になっていた場合、今から大きな金額を投資に回すのは危険です。

そのタイミングで暴落がきてしまえば、更にリスキーな老後を過ごすことになります。

そういった場合には、今ある条件で最大限の暮らしが出来る方法を工夫します。

例えば、年金の繰り下げ受給。

今は75歳まで繰り下げ受給が可能で、年金の受け取りを遅らせるごとに、受け取る年金の増額が出来ます。

ということは、65歳で定年後に、ちょっとしたアルバイトなどと、貯金で75歳まで生活できれば、年金が増えた状態で暮らせます。

そうすると、シミュレーションよりも楽な生活が出来る可能性があります。

逆に、年金の状況次第では生活保護を検討するなどが必要になることもあるでしょう。

これらの制度を知る事が重要です。

まとめ

今回は、収入の崖について見てきました。

折角何十年も頑張って、役職についてそれなりの人生を・・・と考えていたのに、多くのサラリーマンは、こんなにも急激な年収ダウンの可能性があります。

そのため、若い頃からの準備は非常に大切で、そのための手段の一つが副業です。

このサイトでは、WEBライターを始めとして副業の稼ぎ方なども発信しています。

是非、他の記事も見ていただいて、安心した老後に備えてほしいと思います。

ABOUT ME
WEBライターこはく
WEBライターとして10年以上に渡って活動。 副業としての最高月収は40万円/月(執筆のみの収益) 『難しい話をわかりやすく』 をモットーに、毎月数十万字の執筆を行う。 twitter:Twitterアカウントへ